こんにちは。

今年で40周年を迎える「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」…。「婦宝当帰膠」は婦人科をはじめ、臨床で広く利用されている中成薬(中国漢方)です。

しかし、その基礎薬理の研究はまだ不十分…EBM(evidence-based medicine:根拠に基づく医療)が求められている今日では、臨床応用において、科学的な根拠に基づいた理論的な指導が必要とされます。

今月末には、東京で第21回学術シンポジウムで、山東中医大学付属病院 主任医師 孫振高教授を招いて、「婦宝当帰膠」の最新・最先端の研究結果を講演していただくことになっています。

これまでにも、数々の薬理研究の報告がされています。

①視床下部-下垂体-卵巣性腺軸ホルモン分泌に対する影響
→「婦宝当帰膠」は性腺軸のホルモン分泌を調整する作用があり、これが月経病・不妊症など婦人科疾患における「婦宝当帰膠」の治療効果のメカニズムの1つと考えられる。

②卵巣・子宮に対する影響
(1)無排卵性多嚢胞性卵巣症候群モデルマウスの卵巣・子宮に対する影響
(2)クロミッド使用後のマウスの子宮内膜に対する作用
(3)若いマウス及び老齢ラットの卵巣・子宮に対する影響
→「婦宝当帰膠」はテストステロンによる無排卵性多嚢胞性卵巣症候群の卵巣と子宮の病理状態を改善することが解明された。また、「婦宝当帰膠」は性腺ホルモン様な作用が示唆された。

③子宮内膜炎モデルラットにおけるPGF2α(プロスタグランジンF2α)生産量に対する影響
→炎症性子宮内膜の中のPGF2α量を降下させる作用は「婦宝当帰膠」の子宮炎症と月経痛を治療するメカニズムの1つと考えられる。

④微小循環に対する影響
→「婦宝当帰膠」は微小循環障害状態になっているラットの微小循環を拡張させ、血流を加速させる効果が示された。

⑤動物の耐寒能力に対する影響
→「婦宝当帰膠」を投与後、寒冷環境の中で、マウスの生存時間が明らかに伸びた。

本研究により、「婦宝当帰膠」は性腺軸のホルモンに対して調整作用があり、特にFSH(卵胞刺激ホルモン)、LH(黄体化ホルモン)及びP(黄体ホルモン)の分泌を促進。また、「婦宝当帰膠」は卵胞の発育と子宮内膜の増殖に対して促進作用がある。なお、「婦宝当帰膠」は微小循環改善作用及び耐寒能力の向上作用もある。

また新たな薬理研究の報告が聴けるかもしれませんが、これらの実験データは「婦宝当帰膠」の応用に大きな根拠を与えるものとなると思います。