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女性の10人に1人がかかっている…と言われる身近な病気「貧血」。

貧血とは全身が酸欠状態になってしまう病気で、全身に酸素を運ぶ赤血球やヘモグロビンが基準値よりも減ってしまう状態。生理によって毎月血液を失う女性にとって身近な病気というわけです。

貧血が起こる原因は、「ヘモグロビンを形成する鉄が不足している場合」や「体内のどこかで継続的に出血をしている場合」「骨髄での赤血球が破壊されている場合」など…。

これらを背景に、「鉄欠乏性貧血」「再生不良性貧血」「悪性貧血」「溶血性貧血」の4つに分けられますが、その中でも貧血の約7割を占める「鉄欠乏性貧血」…と言われています。赤血球の中心となるヘモグロビンは、鉄が不足するとうまく作られなくなり、赤血球の中のヘモグロビン量が減ってヘモグロビン自体も小さくなってしまうのが原因です。

そして、この「鉄欠乏性貧血」は、女子中学生・高校生の間で増えているそうです。

生理の始まる思春期に貧血傾向の人が多くなるのは、過度のダイエットや偏った食事から、鉄分の摂取量が不足するためだと言われています。また、この時期の体の急激な成長に、鉄分の摂取量が追い付かないのも一因のようです。

これらに対しては、不足した鉄分を鉄剤で補う…というのが西洋医学の基本的な考え方になりますが、胃弱の人には鉄剤の服用が胃への負担になることも…。

中医学でいう「脾気虚(ひききょ):消化機能低下」タイプの人は、もともと胃腸の消化吸収力が弱く、レバーのような鉄分の多い食品を摂っても吸収しにくいため、造血効果を得にくいです。

「鉄欠乏性貧血」に対する漢方薬には、補血作用のある「当帰(とうき)」「地黄(じおう)」などの生薬に、「人参(にんじん)」「黄耆(おうぎ)」「大棗(たいそう)」などの胃腸の消化吸収を高める生薬を配合したものが多いのが特徴です。また一緒に入っていることで、鉄剤の胃腸障害も防げる…というわけです。

貧血対策には、「受け皿」となる胃腸の力も考える必要がある…というわけです。