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漢方薬の速効性のしくみ…について、「西洋医が教える、本当は速効で治る漢方」という本にそのことが紹介されていました。

漢方薬の特徴として、体の隅々まで延びている「毛細血管の流れ」である微小循環を良くすることを得意であるということが書いてありました。

血液の流れは心臓からスタートし、心臓の拍動によって勢いよく押し出された血液は、まず太い動脈に流れ込み、そこから枝分かれして中・小・細動脈を通過し、末梢の毛細血管へ入っていきます。そこで血液は各細胞に酸素と栄養を送り届け、同時に各細胞から老廃物を受け取って、最終的に静脈を通って心臓へ戻ります。

太い動脈の循環を保つことは、西洋医学が得意としていて、心臓を養っている冠動脈が詰まっている心筋梗塞が起こったとき、早い段階であればカテーテル手術などで詰まりを物理的に解消することが可能ですし、西洋医学の中には血液をサラサラにしたり、血栓を溶かす薬も揃っています。

しかし、全身の組織へ延びている毛細血管の流れに対しては、西洋医学は決定的な治療手段をもっていない…ということもありますし、命に関わらないので、微小循環障害に対してはあまり重きを置いていないのが現状なんだそうです。

どんな病気に対しても、炎症とともに微小循環障害が絡んでいる…ということから、微小循環障害の改善は「あらゆる病気の予防と早期改善に欠かせない」…とあります。

微小循環の障害は血圧の上昇、また糖尿病の3大合併症である網膜症、腎症、神経障害もすべて関係していきます。その他、アトピー性皮膚炎や尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)…のような皮膚疾患の背景も、炎症と微小循環障害である…とありました。

西洋医学では、皮膚疾患に対してはステロイド剤がつかわれますが、ステロイド剤は炎症を抑える力は強いけれど、免疫力を下げ、微小循環を悪くする…。もともと微小循環障害があるのに、さらに微小循環を悪くする…ということです。

確かに皮膚の炎症が強い場合、痒みがひどい場合…ステロイド剤の力を借りないと難しいケースがあります。でもこの場合、漢方薬を組み合わせると治療が円滑に進む…足りないものを補うことができるということです。

やはり、皮膚病も「外側から」だけでなく、「内側から」ということが重要なんだな…と再認識することができました。