こんにちは。

春本番、「自然界の陽気」が強まるにつれ、「体内の陽気」も増加してくる季節です。

「陽気」は万物の成長に欠かせないエネルギー…ですが、日頃から「陽気」が過剰気味の人にとっては、「春の陽気」が病気を誘発する原因になる…と中医学では考えます。人間の体は自然の一部だからです。

首から上にかけて何となく調子が悪い…ということはありませんか?

中医学の「五行説」によると、「肝」は木に属し、春になると気の勢いが旺盛になる…と考えています。一方で、「腎」は水に属し、「腎(水)」は「肝(木)」を養う関係にあります。

「腎」は先天的な体質と関係が深く、「肝」はストレスの影響を受けやすい臓器…とされています。老化や慢性病などによって「腎」の陰(栄養物質や水分)を消耗すると、「肝(木)」を滋潤することができなくなり、色々な体の不調をもたらします。

ボクたちの健康は「陰」と「陽」のバランスで成り立っています。「陰(物質)」の不足は、相対的に「陽(機能)」の亢進を招きます。

春は「陽気」の上がりやすい季節です。ストレスや「春の陽気」の影響を受けると、「腎(水)」が「肝(木)」を十分に滋養できなくなるので、「肝の陽気」は相対的に過剰になり上昇しやすく、頭痛、めまい、耳鳴り、顔面紅潮…などの高血圧症候群を呈するようになります。このような人は、この時期血圧の上昇や脳卒中に対する警戒が必要です。

このようなタイプを中医学では「肝陽上亢(かんようじょうこう)」と言いますが、予防策としては、「肝」「腎」の陰を補うこと…。たとえば「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」…その中の菊花(きくか:菊の花)には、「肝」の高ぶりを抑え血圧を下げるはたらきのあります。

春は「陽気」の上がりやすい季節であるので、この時期に不調が出やすい人は、その影響を強く受けていると思います。