こんにちは。

中医学では「取類比象(しゅるいひしょう)」という言葉があります。

これは、ボクたちの体を自然界にたとえて説明するものですが、たとえばある内臓や器官が弱っているときは、「形や色が似たものを食べると良い…」という意味として解釈することもあります。

ナッツを食べていると、色々と面白い形をしているのに気が付くと思います。

特にクルミ…。クルミが「何かの形に似ている…」と思ったことはありませんか?クルミは「脳の形」によく似ています。なので、クルミを常食すると「脳」や「腎」のはたらきを活発にして、腰痛や膝の無力感、息切れ、慢性のセキ、ゼンソクのほか健忘などを改善するはたらきがある…と言われています。

カシューナッツは腎臓に似た形をしています…。

白髪は年齢を感じさせる現象の1つです。白髪が多い人は、黒い食品を摂ると良いと言われます。黒は「腎」の色で、黒ゴマや桑の実などの黒い食品は、「腎」を養うと言われています。

牛筋は「牛筋」、砂肝は「鶏内金(けいないきん)」という立派な生薬です。筋が弱って足腰が弱い場合には「牛筋」を、胃腸が弱くてもたれやすい場合は「鶏内金」がつかわれることもあります。つまり、その動物のパワーを取り入れる…という考えを昔の人は持っていたようです。

その昔、虎骨(ここつ)の入った漢方薬がありました。虎の骨が丈夫だからその骨で関節を強化できる…と考えによるものですが、事実、優れた鎮痛作用や筋骨を強くする作用があることが知られていました。今はワシントン条約で禁止されています。

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このほか、精力減退には動物のペニスが使用されます。海狗腎(かいくじん)はオットセイのペニスですが、北の海の島や大きな氷の上に数十頭のメスを引き連れて、一夫多妻…文字通りハーレムに「君臨」しているオットセイのオスを見て、多くの男性が憧れてきた…というわけです。

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徳川11代将軍の徳川 家斉(とくがわ いえなり)は、精力増強のためオットセイのペニスを粉末にしたものを飲んでいたので「オットセイ将軍」と呼ばれていました。嫁・愛人16人、息子27人、娘26人…というおそらく前人未到の記録を打ちたてています。

その海狗腎の入っている有名な漢方薬が「至宝三鞭丸(しほうさんべんがん)」です。

中医学には、このように形や色が似たものを食べる…「取類比象」という面白い考え方がありますが、これはあながち間違いではない…ようです。