こんにちは。

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皮膚の発疹の移り変わりを考慮し図にしたものに「湿疹三角形」があります。一般的に、湿疹がとりうる時間経過をあらわすものです。

・紅斑(赤み)…様々な原因による皮膚の部分的な色の変化
・丘疹(ブツブツ)…触ると分かる皮膚の小さな隆起
・小水疱(水ぶくれ)…中に透明な体液がたまった隆起
・膿疱(うみ)…中に膿がたまって、黄色っぽく見える隆起
・びらん(ジュクジュク)…表面の欠損で、一般にジュクジュクただれた状態
・痂皮(かさぶた)…血液成分が固まって、皮膚の表面に固着したもの

通常、この「湿疹三角形」の流れに沿って悪化、治癒をしていきます。この三角形をなるべく小さく治癒させることが大切…というわけです。

中医学で「湿疹三角形」を考えると、これらの皮膚の状態は「血熱」「湿熱」「熱毒」がメインと考えることができると思います。

「紅斑」がある場合、そこに「熱」があります。「紅斑」でも、赤みの濃さや範囲などによって、その「熱」の強さは違います。深い「熱」は、そこに「血熱」があると考えられます。

「丘疹」「水疱」「びらん」「痂皮」の状態はそこに「湿」が絡んでいる状態…「熱」と合わさり、「湿熱(しつねつ)」が考えられます。

「膿疱」の場合は、熱がこもり化膿や感染があるような皮膚状態なので、「熱毒(ねつどく)」が強いと考えられます。

そして、その症状が落ち着いてきたときに、ボロボロとフケのように落ちる「落屑」という流れから治癒していきます。

しかし治らない場合は、慢性湿疹となり、硬く厚く荒れた皮膚の「苔癬化」や黒く跡が残った状態の「色素沈着」として残る場合があります。これはもともとの皮膚の状態があらわれてきている状態なんですが、このような皮膚の状態では再発を繰り返す恐れがあるので、この状態の皮膚を正常な皮膚に近づけることが大切になります。

中医皮膚病では、これらを段階的に考え、「紅斑」「滲出」の急性炎症段階、「紅斑」「乾燥」「苔癬化」の慢性安定期段階、「美肌作り」「再発防止」の美肌段階の対応を「内服」「外用」「養生」で考えていきます。