こんにちは。

食べ物は、ボクたちの体にとっては異物です。自己以外の物質(抗原)が体内に侵入してくると、それはすべて異物として認識されるため、免疫反応が起こるはずです。

それでも、食べ物全てに対して免疫応答が起こらないのは、消化管から吸収される食べ物は「免疫寛容」と呼ばれるシステムによって、それが異物として認識されなくなっているためです。

それでも「免疫寛容」によって、本来は異物とは認識されないはずの食べ物を異物とみなし攻撃するために起こるのが「食物アレルギー」です。

「食物アレルギー」は大人にもある反応ですが、特に0~3才の乳幼児に多いことが知られています。でも、こうした乳幼児の「食物アレルギー」は、成長するに従い、自然に軽くなったり、治ったりします。これは、乳幼児の消化機能が未発達なため…。成長するに従って、消化機能、免疫能が発達するため、この「免疫寛容」を示す物質も変化してきます。

日本人の腸の長さは、欧米人の約1.5倍…。日本人が千年以上も野菜や穀物などの繊維質の多い食べ物を主に食べてきたためだと言われています。

野菜や穀物は繊維が多いので、便の量は多く、長くは腸にとどまらずに排便されます。一方で肉は、便となるカスが少なく、長時間腸にとどまり水分が吸収されて便は硬くなります。

日本人は長く柔らかい腸であるのに対し、欧米人の腸は短くて弾力性のある腸であるので、肉を食べた場合スムーズに便を送り出すことができる…と言われています。

長い間、野菜や穀物中心だった日本人の腸に、戦後欧米スタイルの食事が入って来るようになりました。食生活は変わっても、腸は急には変わりません…。日本人の腸に合わない食生活を続けてきた結果、体に異変が起きたきたと言われています。腸が長く便秘をしやすいのに、さらに肉食中心…。便秘が多くなり大腸ガンが急増、またアトピーをはじめ花粉症などのアレルギー疾患も戦後になって増えてきたと言われています。

野菜や穀物が胃で分解される時間が1時間足らずなのに対し、肉や卵などの動物性タンパク質は、最低4~5時間かかりますが、タンパク質の分解が上手くいかないと、アレルギーが起こると言われています。

ですから、健康のためにも、ある程度の食事のコントロールは必要となります。食養生に詳しい中医師の劉桂平(りゅうけいへい)先生によると、食べ方の割合は穀物4~5割:野菜4割:動物性のもの1~2割…がバランスのいい比率であるようです。オナラや排便のあと臭いときは肉食や卵が多いか食べ過ぎです。

中医学に「欲得長生、腸内常清」という言葉があるように、腸の中をキレイにしておくことは、病気の予防につながる…ということです。