こんにちは。

過酷な自然環境で生きているものの中には、ボクたちを「あっ」と驚かせる力をもっているものも少なくありません。

シベリア地方のマイナス40℃以下の厳寒の地で生育しているウコギ科の「シベリア人参」もその1つ。

「シベリア人参」には、人間のストレスに対する抵抗力を強める作用があります。

ロシアのシベリア地域、中国の黒竜江地域、日本の北海道、朝鮮半島などに生育していて、日本では「エゾウコギ」という名前で呼ばれています。

「シベリア人参」は、「朝鮮人参」「田七人参」「西洋人参」とともに4大人参と言われています。人参は疲労回復や病後の体力回復など、体の機能を高め、体を元気にする強壮効果を特徴としますが、この「シベリア人参」は抗ストレス作用が注目されている人参です。

1960年代に入り、旧ソビエト科学アカデミーなどの研究によって、非常に広い範囲の有効性と成分の分析が行われ、その効果が明らかにされました。

その結果、「シベリア人参」には交感神経と副交感神経のバランスを調整し、頭脳労働の効率を高めることによって、ストレスに対する抵抗力を高めるはたらきが分かったそうです。

ロシアの科学者は、ストレスから生き残った動物たちを解剖して、ストレスステロイドの使い過ぎによって発生する副作用の兆候を確かめる研究をしたところ、傷ついた胃、肥大した副腎、萎縮した胸腺などが、「シベリア人参」を与えた動物ではほとんど見られない…ということでした。

また、「シベリア人参」を服用すると、体力が増強され、疲労の回復が早まるとともに、寒冷や酸素欠乏などの悪環境での生体の適応能力が高まる…ということも分かっています。

そのためロシアでは、宇宙飛行士をはじめパイロットや登山家、長距離トラックの運転手など、環境の変化で速やかに対応し、過酷な環境下を乗り切らないといけない人たちにとっての常備薬になっているそうです。

「シベリア人参」は、特に精神的な興奮と抑制のバランスを回復する作用に優れており、不眠症や自律神経失調症などに効果がみられ、現代人のストレス社会に最も必要とされる「メンタル・ハーブ」の一つだと思います。