こんにちは。

最近ウチの薬局に来られるお客様に食欲不振、おなかゴロゴロ、不快感や吐き気、下痢などの症状を訴える方が多いようです。

これは体内にたまっている湿気のせい…。

湿度が高くなると、まず影響を受けやすいのは「脾胃(消化器系)」です。

「脾胃」は「乾燥を好み、湿気を嫌う」という特徴があるので、湿気が体内に入ってくると、「脾胃」のはたらきは低下します。

その上、「蒸し暑いから…」と過剰に冷たい物を摂ると、悪循環で湿気が体内に溜まり、食欲不振、下痢、吐き気などの症状があらわれます。

日本人は体質的に湿気の影響を受けやすい上に、食生活の中で冷たい飲み物や食べ物を好む傾向が強いので、夏になるとなおさら胃腸障害の症状が目立つようになります。

対策としては、体内にたまった湿気を取り除くことと、「脾胃」のはたらきを活発にすることです。

これは、中医学の治療原則の「本治(ほんち)」と「標治(ひょうち)」となります。「本」とは疾病の本質および病因をさし、「標」は主に症状をさします。つまり「本治」とは、疾病の根本原因である体質を改善すること、「標治」は一時的に症状を抑えることを言います。

体内にたまった湿気を取り除くことが「標治」で、「脾胃」のはたらきを活発にすることが「本治」です。

この場合、「標治」の代表的な漢方薬としては「勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)」、「本治」の代表的な漢方薬は「健胃顆粒(けんいかりゅう)」です。