こんにちは。

中医学でいう五臓は、「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の5つ。

「肝」は肝臓だけでなく、自律神経を、「心」は心臓だけでなく、血液の流れや精神状態を、「脾」は主に胃腸などの消化器を、「肺」は呼吸器系だけでなく皮膚を、「腎」は腎臓と副腎や免疫、生殖器、遺伝などをそれぞれ指しています。

その中でも、「腎」は親から受け継いだ先天的な生命力を蓄えている「先天の本」、「脾」は食べ物などから後天的に生命力を補充する「後天の本」とも言います。

人間は、陰陽の交わりを通して生まれる…と言われます。「男(陽)の精」と「女(陰)の精」が交わることで、「新しい精」が生まれるわけですが、これが「先天の精」となるわけですが、それを蓄えているのが「先天の本」と言われる「腎」になります。

「先天の精」は、体の発育や知能の発達、生殖能力の旺盛さ、寿命などに大きく影響力をもっているので、そのため、中医学では「先天の精」が足りないと、体の発育や知能の発達が遅れる…と考えます。

ただ、生まれてからは人間は自分の口から栄養を取り始めます。この栄養も、人間の成長を支えている大切なもの…。なので、食べ物などから得られる栄養のことを「後天の精」と言います。

「先天の精」は親の財産で、「後天の精」はコツコツためる貯金のようなものかもしれません…。

この「先天の精」と「後天の精」を合せて「腎精(じんせい)」と言い、このことを「人生」という言い方をする方もいます。いくら財産があっても、散財し過ぎるとお金が底をついてしまいますし、財産が少なくても大切に使い、コツコツ貯金しているとお金に困りません…。

中医学では、「腎精」を補うことは、老化を防ぎ、心身を若く保つ…ということにつながると考えます。