こんにちは。

昨日の閉店後、中医皮膚病IP講座がありました。

皮膚病IP講座とは、インターネットを使っての皮膚病の勉強会。全国の薬局の、皮膚病の事例検討会…といった様なものです。

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ちょうど、ウチのネコのあまちゃんも目を閉じて聴いていました…。

今回は、2人の薬局の先生による「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」と「アトピー性皮膚炎」の症例でした。この症例をもとに、担当中医師の楊暁波(よう・きょうは)先生が治療方針や漢方処方なのアドバイスしてくださいました。

掌蹠膿疱症はご存じの通り、手のひらや足の裏に無菌性の膿疱(うみをもった皮疹)が生じて慢性の経過をたどる病気です。場合により胸骨、鎖骨、肋骨や脊椎に関節炎を発生することもあります。

1例目の症例の掌蹠膿疱症は、もともと皮膚科の治療を受けられていた方。今年の春から足の裏が悪化し、痛くて歩けない…というものでした。

漢方薬の内服と外用、生活習慣の改善により、1週間で変化が見られました。特に勉強になったのが外用剤の使い方。しっかりと足を洗ってから、紫雲膏(しうんこう)と華陀膏(かだこう)を混ぜて塗られていました。

華陀膏というと「中国の水虫薬」というイメージですが、角質増殖が強く、肥厚した皮膚トラブルにも使います。ただ、刺激があるのでキズには向きませんし、足の裏の保護にはなりにくいです。紫雲膏と混ぜることで、そのマイナスをカバーされ、ボロボロだった足の裏は、1週間後にはキレイになっいました。その後、太乙膏(たいつこう)に切り替えて上手に対応され、1ヶ月で歩けるようになられていました。

もちろん、内服と生活改善があってのことですが、外用剤の選び方や使用法について勉強させていただきました。

2例目の症例はアトピー性皮膚炎で、ステロイド外用剤を使用してもコントロールが上手くいっていないケースでした。今回のケースでは、漢方服用と同時にお客様がステロイド外用剤を中止したようで、漢方薬の内服と外用・スキンケアで対応をされていましたが、リバウンドによる炎症はそれ以上に強く、どんどん広がっているようでした。炎症は1ヶ月後をピークに終息し、現在は快方に向かっているようです。

お客様の焦りがそうさせたのかな…と思いますが、改めてステロイド外用剤を中止した場合のコントロールの難しさを実感させられた症例でした。ステロイド外用剤の炎症を抑える力はそれだけ強い…ということですし、ステロイド外用剤の使用中の皮膚はそれだけでは判断を間違えてしまう恐れもあります。

ボクであれば、ステロイド外用剤は急に中止せず、漢方薬をのんでもらいながら徐々にステロイド外用剤の回数、間隔を延ばしていく…という方法をとると思います。どちらにしても、改善には一定の時間が掛かると理解していただくことが必要であると思います。

今回の2つの症例は、気付きの多い症例でした。