こんにちは。

乾燥による皮膚症状の治療には、炎症を抑える外用剤(ステロイド外用剤など)を用いる以外に、保湿剤などを用いたスキンケアも非常に大切であると考えます。

アトピー性皮膚炎などにもスキンケアで症状をコントロールする…ことが大切で、これはアトピー性皮膚炎治療ガイドラインにも明記されていて、皮膚科学会でも浸透してきています。

アトピー性皮膚炎のベースに「バリア機能の破綻」と「ドライスキン」があると考えています。皮膚のバリア機能が低下したために敏感肌になり、普通は反応を起こさないわずかな刺激でも皮膚に炎症を引き起こすため、状況に合わせたスキンケアが重要となります。

高齢者の乾燥肌の場合では、皮脂分泌も加わって皮膚表面に鱗屑が多くなり痒みが発生します。さらには掻き壊しなどによって炎症を引き起こすケースが多いように感じます。

乾燥肌でもいくつかのパターンに分類することができます。

単なる乾燥症状とする「血虚風燥」タイプ、炎症症状を伴う乾燥症状の「血熱風燥」タイプ、皮膚にゴワつきのある「瘀血」タイプなどが主なタイプです。

中医学のスキンケアに対する考え方は、「潤」「清」「力」。

「潤」=滋陰潤膚
(養血滋陰で皮膚の保湿力を高めて潤い肌をつくる)

「清」=清熱解毒
(肌荒れを防ぎ、炎症を抑えて肌の安定性を保つ)

「力」=益気養血
(皮膚の代謝力を維持してバリア機能を高める)

基本的には「洗う(デトックス)」→「水分を補う(清熱・滋陰・潤膚)」→「油分を与える(潤膚・肌の保護と強化)」の順番です。

タイプによって、その対応は異なることもありますが、いずれにしても内服と外用のバランスはとても大切…。

皮膚は「見られる」「触れる」「直接クスリを塗れる」…人体における1番外側の器官ですし、刺激にすぐに反応するため、外側と内側のケアが有効であると思います。

「潤」「清」「力」…内側と外側で皮膚を挟み撃ちにするようにすることで、より効果が出やすいように感じます。