こんにちは。

ウチの薬局では子宝相談はボクの母が担当していますが、ボクも今勉強中です。

漢方による治療…というのは「からだ作り」だとボクは思っています。

150919_1

これは「畑作り」と似ていると思います。

たとえば、冷えは「かたくて冷たい畑」、潤い不足は「水が足りない畑」…。他にも栄養不足、種の力不足、日照不足…などの環境では植物が育ちにくいということです。

つまり、「いい畑」と「いい種」が揃うことで、妊娠する確率が高くなる…。環境を整えることが漢方薬のはたらき…だと思います。

女性の生理は月経出血の開始日を第1日とし、25~35日(平均28日前後)かけて、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期の4期を1周期として繰り返されています。

周期療法は、この4期に合わせ、各期間ごとに漢方薬をつかい分ける中医学の新しい考え方で、西洋医学の生理的メカニズムに陰陽の理論を組み入れたものになります。

その原因を探し出し、また効果が出ているかどうかを判断するために、基礎体温表を活用します。

月経期、卵胞期、排卵期、黄体期…とそれぞれがどんな時期で、漢方薬のサポートとしては…、

月経期…赤ちゃんの宿る部屋(子宮)をキレイにお掃除する時期。
「活血(かっけつ)+理気(りき)」=血行を促進する活血薬と月経血を排出する子宮の筋肉や血管の運動のリズムを改善する理気薬をつかいます。

卵胞期…質の良い卵を育てながら、子宮では卵を迎える丈夫なベッドをつくる時期。
「補血(ほけつ)+滋陰(じいん)」=養血滋陰薬を中心に、子宮内膜を増殖して回復させ、卵胞の成熟を助けます。

排卵期…赤ちゃんの卵を迎え子宮を温めて着床の準備する時期。
「活血+理気」=活血薬と理気薬を用いて、ホルモンの分泌の連携を良くし、スムーズに排卵ができるようにします。

黄体期…やわらかで温か、栄養も豊富に送れる快適な部屋(子宮)で赤ちゃんを育てる時期。
「補陽(ほよう)」=補陽薬を中心に、受精卵を子宮に着床させ、流産を予防します。

それだけではなく、「五臓」のバランス、「気・血・津液」のバランスを見ていきながら「からだ作り」をし、妊娠しやすい条件を整えていくのが周期療法だとボクは思います。