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「五苓散(ごれいさん)」の使われ方

こんにちは。

最近では、病院の処方せんでも漢方薬が多く見受けられます。

先日の山口市薬剤師会の学生発表会で、たまたま「五苓散(ごれいさん)」が脳外科で使われた症例を聴く機会がありました。脳内水分量を調節し、頭の中で血がたまらないようにするために処方しているようでした。

一般的に「五苓散」の効能は、

口渇、尿量減少するものの次の諸症:浮腫、ネフローゼ、二日酔い、急性胃腸カタル、下痢、悪心、嘔吐、めまい、胃内停水、頭痛、尿毒症、暑気あたり、糖尿病

臨床では、脳浮腫、硬膜下血腫、腎炎、頭痛、回転性めまい…に使われているようです。

EBM(根拠に基づく医療)のデータによると、そのはたらきは「細胞膜上の水透過性に関係する“アクアポリン水チャネル”の機能調整」。まるで新薬のような効能効果です…。

もともと「五苓散」は、約2000年前の「傷寒論(しょうかんろん)」に編纂されている処方です。

5つの薬によって組成され、水の運行を命令(苓)する…という意味がありますが、その効果は「利水滲出(りすいしんしゅつ)」「通陽化気(つうようかき)」となっています。

「利水滲出」とは、利水作用により、水湿の邪気を下から除去する…という治法。

「通陽化気」とは、陽気を通じさせ、陽気不通による気化機能(水液を輸送し、行き渡らせる機能)の失調を治療する治法です。

利水の「沢瀉(たくしゃ)」「茯苓(ぶくりょう)」「猪苓(ちょれい)」「白朮(びゃくじゅつ)」と、血管拡張作用の「桂皮(けいひ)」で構成されていて、消化管内の体内組織の余分な水分の停滞を除くはたらきがあります。消化管や組織の余分な水分を血中に引き込むことによって利尿を促進し、口渇、嘔吐、下痢、浮腫などの水分の停滞を除くわけです。

ただ、この処方はずっとのみ続けるのではなく、水分の停滞が改善されれば止めるべきです。

「五苓散」は約2000年前の処方ですが、現在でも最先端医療の現場で使われている…。本当に凄いことだと思います。

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