こんにちは。

先日、広島で「日本生体免疫研究会」の勉強会があり、出席してきました。

今回は「腫瘍免疫」…つまりガンについてのお話でした。

ガンの治療法には3大療法である「外科療法」「化学療法」「放射線治療」のほかに、「ホルモン療法」「温熱療法」そして「免疫療法」があります。

最近の「免疫療法」の分野では、最近話題の「免疫チェックポイント療法」など、腫瘍免疫の新局面を迎えています。

ボクが特に興味深く聴かせていただいたのが、「低酸素とガン」についてでした。

言うまでもなく、酸素は多くの生物にとって生命の維持に必須な分子です。

酸素供給が滞った組織内の細胞は、低酸素誘導因子(HIF)の活性化を介して様々な遺伝子の発現を誘導し、環境への適応を図るそうです。

近年、このHIFが低酸素適応応答だけでなく、悪性形質(ガンの転移・浸潤、治療抵抗性など)に関与していることが分かってきたそうです。

低酸素やHIFは様々な治療に対する抵抗性に関係しているようです。つまり、低酸素領域にいる幹細胞などには、どうも抗ガン剤が効きにくいそうなのです。そして、HIF-1はガンの悪性度を増強させる…とも言われています。

酸素の圧力を上げると、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性が上がった…という報告があるそうです。つまり、血流を良くすることが大切である…とのこと。

低酸素状態…ということは、中医学では「瘀血(おけつ)状態」…と考えられます。

実際、免疫に作用するサプリメント、直接作用するサプリメントや漢方薬、そして「血流を良くする漢方薬」で肺ガンが改善した症例を聴かせていただきました。

もともと片方の肺を摘出し、その後しばらく良かったそうです。定期的な検査で残りの肺に1cm大の白い影があり、その後3ヶ月で2.4倍になったそうです…。

その方は年齢的にみて西洋医学の治療が耐えられないと…という判断のため、補完代替療法だけの治療だったそうです。その1例の症例だけでしたが、従来のものに「活血」を足すことで、いい結果が得られた…というものです。

「低酸素とガン」を通して、ガンを叩く1つの方法に「活血」が有効な手段である…ことが分かりました。