こんにちは。

生薬の名称の由来にはいろいろありますが、特産地の名を冠したものも少なくありません…。

四川省から一字をとった「川芎(せんきゅう)」、マルコ・ポーロが愛した都・杭州産の「抗菊花(こうきくか)」などよく知られていて、生薬のブランドのようなものです。

女性と縁が深い「阿膠(あきょう)」もその1つ。

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「阿膠」は、ロバの皮を水で煮詰め、ニカワ(膠)として固めたものです。補血、止血剤として使われることが多く、生理不順、冷え性などの婦人病の諸症状などに広く用いられています。また、主成分はコラーゲンで、お肌に良いとされており、美容効果も期待されています…。

そんな「阿膠」ですが、中国山東省阿県の地下水を使って加工したものが最上質とされ、ここから「阿」の字をとって名付けられました。

ですから、「中国山東省阿県の地下水を使って加工した」「ロバの皮を水で煮詰め、ニカワ(膠)として固めたもの」が「阿膠」…です。

先日、メーカーによっては「ロバの皮を水で煮詰め、ニカワ(膠)として固めたもの」以外を「阿膠」として使用されている…ということを聞いて、ビックリしました。

実際、インターネットで「阿膠」を検索すると、「ロバ、ウシなどの皮を水で煮て製したニカワ」「ウシ、ブタなどの哺乳動物の皮、骨、腱、靭帯から造られたゼラチン」「ウシやウマなどの皮から作られたニカワ」…と確かに出ていました。ウシやブタが代替品として使われているようです。

「阿膠」は「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」「温経湯(うんけいとう)」「芎帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)」「猪苓湯(ちょれいとう)」などの処方に入っていますが、細かく言えば、その違いが効果にも影響するのではないか…と思います。