こんにちは。

「冷え性」と「冷え症」…本を読んでいると2つの言葉が出て来ます。

冷えは肉体的、精神的に「寒い」あるいは「冷たい」状態、またはそう感じる状態のことを指しますが、「冷え」、「冷え性」あるいは「冷え症」はほぼ同じ意味になるそうです。

自覚的あるいは他覚的に「寒い」とか「冷たい」と感じる状態を「冷え性」、それらを病的、自覚的あるいは他覚的に判断し治療を要する状態を「冷え症」と呼ぶようです。

中医学では「未病(みびょう)」という考え方があります。すでになってしまった病気ではなく、病気になる前のこと…。それから考えると、「冷え」は「未病」の1つと言えると思います。

「未病」という言葉は、今から2000年前に書かれた「黄帝内経(こうていだいけい)」という中国最古の医学書に書かれています。

「聖人は已病を治さず、未病を治し、已乱を治さず、未乱を治める」とあります。病気になる前にその芽を摘み取るのが優れた医者であるという意味です…。

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冷えの問題は単純に寒く感じるだけではありません…。冷えた体の中では困った事態が起きるようです。

・血流悪化→免疫力低下
体温が高いと血液中の白血球のはたらきが活発になり、免疫力が上がります。しかし、体温が低いと体が冬眠状態になり、細菌やウイルスに対する抵抗力が低下して、ガン細胞の増殖を抑えることが難しくなると言われています。

・体の自浄作用の低下
冷えや低体温が進むと、ウイルスが入って来たときに熱を出して対抗したり、悪い食べ物を食べてしまったときに素早く排泄するような「健全な自浄作用」がはたらきにくくなり、病気が深刻化したり、不調を長く引きずりがちに…。

・ホルモンバランスにダメージ
体温調節を行っている脳の視床下部は、自律神経とホルモンの中枢でもあります。そのため、体温が低いと自律神経やホルモンのバランスも崩れがちに…。また、血流量が減ると卵巣や子宮の機能も低下し、視床下部の指令に反応しにくくなることも…。

・腸内で悪玉菌が繁殖
体温が低下して血流が減ると、胃腸のはたらきも悪くなり、腸の蠕動運動が停滞…。すると腸内に活性酸素や硫化水素といった毒素がいつまでも溜まり、いわゆる「悪玉菌」が繁殖…。便秘などを引き起こしやすくなります。

「たかが冷え、されど冷え」…。昔から「冷えは万病のもと」…と言いますが、「冷え」もまさに「未病」であり、対策を講じなければ重大な疾患に発展する可能性をもつものです。