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中医皮膚病IP通信講座 2016年スクリーニング

こんにちは。

この連休に「中医皮膚病IP通信講座 2016年スクリーニング&オープン講座」に参加してきました。

午前の部は、中医皮膚病IP通信講座を受講している人限定のスクリーニング…。

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今回は中医学講師の楊達(ようたつ)先生による、杭州市第三人民医院皮膚科のまとめた論文の解説でした。

論文のテーマは「涼血消毒飲を用いた顔面ステロイド性皮膚炎に関する臨床研究(105例の研究報告)」…というものです。

ステロイド外用剤は現代の皮膚病治療の中では重要…というか、この方法しかないとされています。しかし、誤った使用や乱用でステロイド皮膚炎が増えているようです。基本的に顔に使うステロイド外用剤は弱いものを使用しますが、弱いものでも6ヶ月続けるとステロイド皮膚炎が起こることがあるようです。

中国の外来では湿疹、乾癬、ニキビ、蕁麻疹に次いで、ステロイド皮膚炎が今や5番目に多い皮膚疾患であるそうです。店頭でもよく見かけます…。

顔に発生するため、外見的なものもありますし、痒みや灼熱感、ほてり、乾燥…といったことも出て、生活の質(QOL)も悪化します。実際、顔の症状は波が激しい場合が多いです。

西洋医学のステロイド皮膚炎の判断基準は①同じ部位で長期的ステロイド外用剤の使用②リバウンド反応が起こる(薬を中止すると悪化する)③顔の紅斑(赤み)、浮腫(むくみ)、丘疹、色素沈着、毛細血管拡張、表皮が薄い、皮膚の萎縮などの見た目④痒み、灼熱(ほてり)、乾燥、皮膚がつっぱる、ピリピリ感の痛みなどの自覚症状…の①~④なかにそれぞれ1つ以上あることです。

中医学では「熱毒壅滞(ねつどくようたい)証」と考え、顔の鮮やかな紅斑、新しい丘疹が絶えず出ていて色が赤い、膿疱、灼熱感、痛痒い、激しい痒み、毛細血管の拡張、温まると症状が悪化し冷やすとラクになる、イライラ、便秘、睡眠不安、舌が赤い、舌苔が黄色い…という症状が考えられます。

これをもとにステロイド皮膚炎かどうかを判断することが出来ます…。

この研究では5年間で、他に病気のない105人のうち、漢方薬のグループ(治療群)60人と、対照群である抗ヒスタミン剤のグループ(対照群)45人に対し、1週間後、2週間後、4週間後の症状と血清IgEを比較し、その有効性を判断するというものです。

1対14で女性の方が多く、ステロイド皮膚炎の病程は短い人で6ヶ月、長い人で42年…平均すると4年だそうです。見た目の100%に紅斑(赤み)、自覚症状の人に痒み、灼熱感を感じているようです。

内服、外用(保湿と保護)、そして食養生などの生活養生で、4週間を1クールで効果を判定します。判断は客観的には「皮膚症状」「血清IgE」、主観的には「痒み」「ほてり」「乾燥」で、それぞれ「重度、中度、軽度、なし」の4段階で判断し、点数を出すというものです。

1週間では客観的にも主観的にも治療群と対照群に差はないようですが、2週間では差異が出て、4週間には明らかな差が出たようです。

この実験ではステロイド外用剤を中止する…というもので、そのためリバウンドが起こります。それでも、リバウンドが出るまでの時間が治療群が3.69日、対照群が3.57日とそれほど違いは出ませんでしたが、持続時間は治療群が11.37日、対照群が16.48日…と、漢方治療の方が5日間、リバウンドからの改善が短かったわけです。

副作用の問題では、「涼血消毒飲」を服用した6人に腹痛などがあったそうですが、1週間で消失したそうです。一方、抗ヒスタミンを服用した19例の眠気が出現したようです。

それを踏まえての結果は、治療群の有効率が78.33%、対照群が11.11%…だったそうです。ただ、両者に血清IgEの差異は見られなかったそうなので、ステロイド皮膚炎とIgEの間にはあまり関係がないのでは…という結論だそうです。

今回、本場中国の最新の論文を紹介は、ボクたちの漢方相談に大いに役に立ちそうです。

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次に、同じく中医講師の楊暁波(ようきょうは)先生による、「脂漏性皮膚炎の治療症例分析」…という、先生の実際の症例をもとにした解説がありました。「炎症の波」と処方加減、処方調整のタイミングと注意点などを主にお話し下さいました。

確かに急性期と慢性期とで、同じ薬を同じ量をずっと飲み続けるのではなく、炎症の状態と内臓のはたらきも見ながら加減することをしていく中医皮膚病では、1人1人の反応が違うのこともあり難しいですが、そこがポイントであると思い、先生のお話を参考にさせていただこうと思います。

楊達先生、楊暁波先生、ありがとうございました。

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