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皮膚病における中医学調血理論

こんにちは。

先日の「中医皮膚病IP通信講座 2016年スクリーニング&オープン講座」の最後の講演は、中医学講師である楊達(ようたつ)先生による「皮膚病における中医学調血理論の応用」でした。

「中医学調血理論」は、血の異常により皮膚病の病機を認識する…というものです。

皮膚病における血の弁証として症状から考えると、

◎血熱(けつねつ)…紅斑(赤い皮膚病)、紅皮症、紅い局面
◎血燥(けっそう)…紅斑を伴う鱗屑(フケ)、苔癬化(ゴワゴワ)
◎血虚(けっきょ)…乾燥、鱗屑、しわ、たるみ
◎瘀血(おけつ)…肥厚、皮革様外観、厚い角質、肌膚甲錯、色素沈着
◎血寒(けっかん)…冷え、青紫色の発疹、レイノー現象

「血熱証」の概念としては、血に熱があったり、熱邪が血に影響してあらわれる病証ですが、現代医学における意味としては、炎症に相当するものであると考えられていて、皮膚病全過程に関わっていると考えられるています。上海・中山病院の秦万章(しんばんしょう)教授の論文でも、「血熱証」がそのように書かれていました。

また「血熱証」の解釈では、アレルギー性疾患、自律神経失調、ホルモンの失調による疾患などの分野でも注目されています。

「血燥証」は乾燥によるバリア機能障害。そして、体液代謝異常、免疫機能の乱れ、皮膚バリア機能障害に関連する…と秦万章教授の論文にもあります。ドライスキン、老人性皮膚掻痒症、アトピー、慢性湿疹などがあげられます。

温病の「衛気営血弁証」から、炎症性疾患は気から血に入る疾患であると考えます。炎症性皮膚炎の過程における「血」の変化では、急性段階では「血熱・熱毒・瘀血」、慢性段階では「血燥・瘀血・血虚」、美肌づくり・再発防止では「血虚・瘀血・血燥」の関係が強いようです。

熱により体の潤いが消耗し、潤いが消耗するとさらに乾燥が進み、そして血の滞りが生じる…。そうなると、なかなか症状が改善しません…。たとえば、枯れ木には簡単に火をつけることができますが、切ったばかりの生木にはそう簡単に火がつけることができません…。つまり、「火にとって、水が満ちているものは侵しにくい」ことを示しています。つまり、急性段階の「血熱・熱毒・瘀血」を考えながら、「血燥・瘀血・血虚」の対応により再発しないようにつとめなければならない…ということです。

皮膚病を「血」から考える「調血論」は、今から皮膚病を考えていく上で中心となる考え方ではないかと思います。

楊達先生、ありがとうございました。

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