こんにちは。

漢方薬って、多くは2~10種類の生薬でを組み合わせて構成されています。

生薬にはそれぞれ作用と副作用があり、それらを組み合わせることによって、生薬それぞれの薬効を最大限に引き出すようにしたり、効果の偏りを調節したり、毒性を抑えたりしています。

生薬の絶妙な配合により、漢方薬の副作用が起こりにくくなっています。

漢方薬の組み立ては、「君臣佐使(くんしんさし)」という考え方に沿って配合されています。

「君」は「君薬(くんやく)」のことで、「君主」に相当する役割です。主証を治療する重要な生薬のことで、1つの漢方薬に1~2種類あります。

「臣」は「臣薬(しんやく)」のことで、君薬の下に控える「大臣」に相当する役割です。君薬に次いで重要な生薬で、君薬を助け、効果を高めるはたらきをします。

「佐」は「佐薬(さやく)」のことで、他薬の副作用を抑え、主な病証以外の症状にはたらき、バランスを保つ役割があります。

「使」は「使薬(しやく)」のことで、各薬物のはたらきを調和させる役目ももっています。

たとえばカゼ薬で有名な「葛根湯(かっこんとう)」ですが、葛根(かっこん)、麻黄(まおう)、桂枝(けいし)、大棗(たいそう)、生姜(しょうきょう)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)の7つの生薬が組み合わせでできています。

葛根(君薬):首筋のこわばりを改善する
麻黄(君薬):優れた発汗解熱効果をもつ
桂枝(臣薬):発汗を促し葛根・麻黄を助ける
生姜(佐薬):体を温め発汗を助け、胃腸の消化吸収を高める
大棗(佐薬):胃腸の消化吸収を高める
芍薬(使薬):筋肉の痙攣をゆるめて痛みや強ばりをとる
甘草(使薬):各生薬のはたらきを調和

このように、漢方薬は1つのチームとしてボクたちの体にはたらきかけるわけです…。