こんにちは。

水虫は白癬菌…というカビの一種で、気温が高く湿気の多い時期は菌の活動も活発で、感染・悪化しやすくなります。特に、通気性の悪い靴なんかは大敵です。

中医学では、感染するリスクは体質とも関係が深いと考えます。

水分代謝が悪い人は体内に不要な水分がたまりやすく、「湿」を作ると考えます。「湿」は、言葉のイメージと同様、ベタベタし、カビを作りやすいもので、なかなか取り除きにくいものです。そのため、「湿」がたまりやすいと、感染するリスクも高まる…ということです。

そのため、水虫薬の外用に合わせて、体内の余分な「湿」を除く薬を併用することが望ましいです。

中国の雲南省昆明市にある「雲南中医医院」での研修で、病棟を見学させていただいた際、水虫の患者さんもいらっしゃいました。日本だと水虫で入院…というのが信じられませんが、「雲南中医医院」では水虫の患者さんが実際に入院し治療されていました。その際の治療は…というと、漢方薬の内服と外用での治療でした。

とはいえ、一般的には外用薬が中心となります。中国で有名な水虫薬には「華陀膏(かだこう)」や「土槿皮(どきんぴ)チンキ」があり、日本でも輸入されています。「華陀膏」は軟膏タイプで、「土槿皮チンキ」は液体タイプです。

「華陀膏」は、三国志で有名な医師「華陀」の名前が付いていますが、「華陀」が作ったものではありません。効果が抜群によいことから、その名を冠せられたそうです。ウチの薬局でも評判はいいです…。

「華陀膏」は、サリチル酸、安息香酸などの西洋薬に、蠟梅(ろうばい)の花やつぼみから抽出した強い殺菌・抗炎症作用や皮膚の再生作用がある「蠟梅油」が配合されています。

「土槿皮チンピ」もサリチル酸、安息香酸などの西洋薬に、ムクゲの木や根の皮から抽出したエキスを配合していますが、西洋薬と漢方薬が巧みに組み合わされているのが特徴です。

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「瑞花露ボディケア入浴液」は抗真菌作用のある生薬が入っている入浴剤ですが、洗面器で薬液を作って浸けることで効果が高まるようです。また、薬液に酢を入れて浸けるのも有効です。

合わせて、体内の余分な「湿」を除く薬を併用することが望ましいのかもしれません。