こんにちは。

ボクたちの生命活動を妨げる「邪気」には、体外から生体機能に影響を及ぼすものと、体内で生体機能に悪影響を及ぼすものがあります。

このうち、体外から悪影響を及ぼすものを「外邪」と言います。

細菌やウイルスなどの有害物質や異物が体内に入り込むことも「外邪」ですが、ボクたちを取り巻く自然界の気候もときとして「外邪」となる場合があり、「六淫(ろくいん)」と呼ばれます。

「六淫」はその性質から、「風邪(ふうじゃ)」「湿邪(しつじゃ)」「暑邪(しょじゃ)」「燥邪(そうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」「熱邪(ねつじゃ)」に分類されます。

中医学では「外邪が内邪を揺り動かす…」という言い方をします。ある性質の「外邪」が強くなると、同じような性質を持つ「内邪」も強くなると考えているわけです。

たとえば、梅雨の時期は「湿邪」による影響を強く受けるわけですが、このような場合、もともと浮腫みやすい体質の人は更に浮腫みがひどくなったり、だるさやめまいが起こりやすくなったりします。

「人間の体は自然界の一部であり、自然界と同じ現象が起こりうる…」という整体観に基づいています。

その他では、

蒸し暑い「暑邪」が体に影響を与えると、同じような性質の内邪である「湿熱(しつねつ)」が揺り動かされ動悸やイライラ…などの症状があらわれます。

ひどく乾燥した「燥邪」が体に影響を与えると、同じような性質の「燥(そう)」が揺り動かされ、皮膚や髪がパサついたり、空ゼキがでたりします。

凍りつくように寒い「寒邪」が体に影響を与えると、同じような性質の「寒(かん)」が揺り動かされ、体の冷えやしびれ、下痢といった症状があらわれます。

「外邪に揺り動かされる内邪の存在」は、逆にその人の体の状態を把握するための手掛かりにもなります。