こんにちは。

「聴覚障害者の医療受診におけるバリアフリーにむけて」という、山口市医師会館で開催されたシンポジウムに参加しました。

まず、かめやまクリニックの金谷先生が「聴覚障害の基本事項」について…。

専門的なことで言うと、会話は、雑音の無い環境で聴覚が検知できる最小の音圧レベル「最小可聴域値」よりも大きな音でなければ聞こえない…ということで、聴覚障害者はこの「最小可聴域値」が健聴者よりも低いそうです。

補聴器は、会話音を増幅させて「最小可聴域値」より大きくし、聞こえやすくするものだそうですが、掛けてさえいれば健聴者と同程度に聞こえる…というのは誤解であるそうです。

補聴器には、エアコンの音など連続する一定の音をカットする「雑音抑制」、前からの音を強調し、横からの音は小さくする「指向性」などの機能があるようですが、音量が増しても明瞭度が悪いと、言葉が聴き取り難い…ことがあるからです。また、マイクを通した音も聴こえ難い…ということも初めて知りました。

そして、聴覚障害者は、「最小可聴域値」と、これ以上大きな音は苦痛というレベル「不快域値」の幅が健常者に比べ狭いことから、声を大きくしさえすればよい…というものではないようです。声を大きくすると音が割れたり逆に聞き取り難くなるようです。

なので、会話は正面を向いて、自分の口元を見せながら、ゆっくり、ハッキリ話すことが基本であることを知りました。

次に、「受診の際に困ること、不便なこと」についてのパネルディスカッションがありました。実際に体験談をお話しいただいたのですが、大きな病院での「診察の呼び出し」「会計の呼び出し」が大変だということが分かりました。

薬局でも不便なことがあったか…質問させていただきましたが、薬局では不便さをあまり感じてはいらっしゃってはいないようでした。

ボクたちも年齢を重ねると、聴力は低下していきます。70歳以上の51.1%(男性)41.8%(女性)に軽度を含めた難聴が、80歳以上の84.3%(男性)73.3%(女性)に軽度を含めた難聴、48.3%(男性)32.6%(女性)に補聴器を必要とする難聴があらわれる…というデータを示されていました。

今回のシンポジウムに参加することで、高齢者に対しても会話は正面を向いて、自分の口元を見せながら、ゆっくり、ハッキリ話すことが必要だと認識しました。