こんにちは。

ボクたちの体は絶えず自然界の影響を受けています。

中医学では、ボクたち人間は大自然の中でつくられた生き物であり、大自然のリズムによってコントロールされ、相互に釣り合っている…と考えています。そのため、大自然のあらゆる変化が、大なり小なりボクたちの体に影響を与えているわけです。

自然界の気候の変化は、そこで生活している人にとってはすでに馴染んでいるものですが、これも人体に強い影響を与えているわけです。

空気の流動→風
気温の低下→寒さ(寒)
気温の上昇→暑さ(暑)
湿度の増加→湿気(湿)
湿度の低下→乾燥(燥)

夏は気温が高く、湿気の強い環境なので、皮膚の血管が拡張し、汗腺が開き、脂肪の分泌も盛んになります。そして秋は乾燥が始まり、冬になって気温が下がると、皮膚の血管が収縮して汗腺も閉じ、脂腺の分泌は低下します。

このように、季節によって肌は変化しますが、気候の変化が正常の範囲内であれば、肌のトラブルは発生しません。つまり、人間と自然界の間でバランスがとれている状態です。

しかし、気候の変化に異常が見られれば、体の適応範囲を超え、病気を発生させやすくなります。

これら異常な気候変化を「六淫(ろくいん)」と呼び、中医学では自然界の変化に上手に対応できなくなると、これら外的要因である「六淫」の邪気が経絡につまりを引き起こすと考えます。

肌は体の一番外側にあり、防護層でもあることから、気温の変化が真っ先に影響を及ぼし、トラブルを発生させます。それは人間と自然界のバランスが失われた…ということ。

季節が変わるとき、その変化に適応できなければ、やはり肌トラブルが発生しやすくなります。

特に今からは大気の乾燥により、皮膚から奪われる水分量が増えまる季節です。加えて、気温が低く新陳代謝も低下するため、皮脂の分泌量も減少します。そのため、皮膚の保湿機能が低下し、乾皮症・皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化、ひび割れ、しもやけ・あかぎれ、フケの増加などが起きやすくなります。

当然、それぞれの季節ごとに多発する皮膚病がみられますし、季節ごとの皮膚の保護(養生や治療方針)も異なります。