こんにちは。

バリア機能の主役である角質には、沢山の水分が含まれています。角質の一番上には「皮脂膜」があり、ここでもアレルギーを起こすものや病原菌などをシャットアウトしています。また、皮脂膜は水分が抜けていくのも防ぎます。

水分が減ってカサカサになった肌のことを「ドライスキン」と言いますが、これは「アトピー性皮膚炎」の特徴の1つです。

「バリア機能が低下した角質」「手で掻くなどによって傷ついた角質」…こうした角質では保護機能も十分に働きません。このような角質では、アレルゲンが侵入しやすいだけでなく、水分も外に抜け出やすい状態です。

乾燥によりバリア機能が低下すると、皮膚のバリア機能の低下が関係していると考えられる「アトピー性皮膚炎」は、皮膚が乾燥し、粉をふいたような「ドライスキン」の状態に、掻破などの刺激が加わることで病変を生じてきます。さらに掻き壊してしまうと、びらんなどのジュクジュクを伴うことも…。

このような「赤い発疹」は体内に熱がこもっていることをあらわし、急性期の症状と考えます。「赤い発疹」は、例えて言うなら「家の中で火が燃え盛っている状態」であり、何よりも火を鎮めることが優先されます。

その場合、中医学の治療方法は「清熱解毒(せいねつげどく)」「清熱涼血(せいねつりょうけつ)」「清熱利湿(せいねつりしつ)」など…。

「清熱」「解毒」「涼血」「利湿」…と言っても、何となくでよく分からない治療法かもしれません。「解毒=化膿」「涼血=赤い皮膚」「利湿=ジュクジュク」に対する簡単な説明です。

先日、韓先生の勉強の中で「清熱」「解毒」「涼血」「利湿」について、現代医学に置き換えた場合、どのように理解すればいいのか…教えてくださいました。

・清熱…抗炎症作用
・解毒…抗菌・抗ウイルス作用
・涼血…血液免疫反応抑制(CRP高い)
・利湿…粘膜炎症抑制

このように考えると、急性期の漢方薬の働きも理解しやすいのではないかと思います。

ただ、そうなる前の「ドライスキン」「バリア機能」への対応が大切だと考えます。