こんにちは。

アレルギーとは、ある特定の物質に対して過敏な状態のことで、体に好ましくない有害な反応を起こす免疫現象です。そんなアレルギー反応の起こり方は複雑で、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型の4つに分けられ、即時型の反応と遅延型の反応があります。

そのうち、皮膚アレルギーに関係しているのがⅠ型とⅣ型になりますが、アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型の混合のため、アトピー(特異)アレルギーと呼ばれます。

Ⅰ型アレルギーは原因である抗体が侵入してからアレルギー症状が現れるまでの時間が非常に短く、Ⅳ型アレルギーは症状が現れるまで24~48時間を要します。

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Ⅰ型アレルギー(即時型)に属する蕁麻疹(じんましん)などの発生のメカニズムは、アレルゲンに対する抗体を持った人に起こります。アレルゲンの侵入により抗原抗体反応が起こり、肥満細胞からヒスタミンなどが放出されアレルギー反応が起こります。アレルゲンの侵入から15分程度で発症し、比較的短時間で症状が治まります。

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Ⅳ型アレルギー(遅延型)に属するアレルギー性皮膚炎などの発症メカニズムは、アレルゲンによって、感作リンパ球ができた人だけに起こります。アレルゲンが再侵入してきたときにアレルギー反応が起きるのですが、アレルゲンに接触してから、少しの時間が経過した後に症状が出ます。ある時期から突然アレルギー反応が起こる場合も…。

 

アレルゲンの侵入から守ってくれている皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造ですが表皮の外側は皮脂膜で覆われ、角質とともに水分の蒸発を防いで肌の潤いを保ち、細菌やアレルギーの原因物質など侵入を防ぐ皮膚の「バリア機能」を担ってくれています。

ところが乾燥や掻き過ぎ、こすり過ぎでバリア機能が衰えてしまうと、角質がめくれ上がった状態となり、皮脂膜も減少してしまいます。そうなると、痒みを伝える神経である「C線維」が角質近くにまで伸びて、ちょっとした刺激にも敏感になる…ということが知られています。

そこへ細菌やアレルゲンの侵入により、神経が刺激され、強い痒みを覚えるようになるわけです。痒いから掻く、掻いて皮膚を刺激し、損傷すると、また痒みは一段と強くなり、掻きむしるだけで湿疹病変は悪化します。

ですから、アレルゲンの侵入を食い止めるためにも、スキンケアで保湿をしてあげながら、漢方薬の内服で対応し、「角層のバリア機能」「水分保持機能」を高めてあげることが大切であると考えます。