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防風(ぼうふう)は、その名の通り「風邪を防ぐ薬」。アレルギーのもととなるアレルゲンを中和したり、ヒスタミンなどのアレルギー伝達物質の放出を抑制する働きがあるので、「花粉症」などのアレルギー疾患には欠かせない生薬とされています。

防風を含む処方としては、「消風散(しょうふうさん)」「清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)」「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」などがあります。

そして「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」…。防風、黄耆(おうぎ)、白朮(びゃくじゅつ)から成る処方で、「玉で作った屏風で風邪の侵入を食い止める…」というのが玉屏風散の名前の由来です。

近年の研究によると、防風にはアレルギー反応を軽減し、ヒスタミンの生成を抑制する作用のあることが分かっています。また、黄耆と白朮には免疫機能を改善し、アレルゲンに対する防御能力を高める作用が確認されています。

加えて「中国中医研究院広安門病院分子生物学研究室」の薬理研究では、「玉屏風散」には「鼻粘膜保護作用」「気管支粘膜保護作用」が確認されています。

ラットに「玉屏風散」を予防的に投与すると、炎症反応のレベルを軽減したり、細菌感染の程度を大幅に低くすることが認められ、病理組織上では鼻の粘膜組織の充血や炎症による上皮の脱落を抑え、粘膜内の白血球やリンパ球細胞の浸潤も少なかったそうです…。

なので、「玉屏風散」を長期服用することは、カゼを引きにくくなったり、「花粉症」も軽く抑えることができる…というわけです。「玉屏風散」…日本では「衛益顆粒(えいきかりゅう)」として知られています。