こんにちは。

「ワタナベオイスターセミナー」の関西セミナーの後半「更年期」についてのお話です。

更年期は、女性の閉経の前後5年間(約10年間)のこと。更年期の女性の体は、卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に低下するため「更年期障害」が生じます。

エストロゲンは、中枢神経(脳・視床下部)、乳腺、心臓・血管、皮膚・毛、生殖器(子宮・卵巣)、骨など、体のさまざまな部位に作用しているため、エストロゲンが低下することで生じる「更年期障害」もさまざまですが、「顔のほてり(ホットフラッシュ)」「動悸・息切れ」などの身体的な症状と、「疲れやすい・憂うつ」「物忘れ・神経質」などの精神的症状の大きく2種類に分けられます。

ここでの見解は「エストロゲンの急激な減少とストレス(過剰な活性酸素)」が「更年期障害」を生じさせる…というもの。

エストロゲンはビタミンC、ビタミンEなどにもはるかに強い「抗酸化作用」を有しており、。成熟期の女性は、エストロゲンが十分に分泌されているため、脳の視床下部などにある活性酸素は、エストロゲンに消されて増えすぎることはありません。しかし、エストロゲンの分泌が急激に低下する更年期の女性は、活性酸素にさらされやすくなるわけです。

更年期に重い人と軽い人がいるのは何故なのか?

抗酸化力のあるエストロゲンが更年期に急減することで自律神経系が乱れ、これが活性酸素を増加させ、ホルモン分泌を乱し、更に体の酸化が進む…と悪循環に入ってしまいます。また、心身のストレスは更に活性酸素を増加させ、「更年期障害」を悪化させる…ということ。

最近の研究では、卵巣内の活性酸素が高いと、エストロゲンをつくる量が減ってしまうことが確認されています。そのため、エストロゲンの低下が引き金となる活性酸素増加を抑えることができれば、「更年期障害」を緩和できる…ということです。

ただ、これは「更年期障害」だけのことではなく、若い頃から生理不順がある人は更年期が重くなることを意味しています。つまり、月経不順のある人はエストロゲンをつくるのが下手だからです。そのため、生理不順を治しておくことは「更年期障害」を重くさせない…全てがつながっているわけです。

エストロゲンは脂肪からつくられます。「やせ型」の人は脂肪が少ないため、エストロゲンの量も少なくなり、性腺軸(視床下部-下垂体-卵巣)が乱れてしまいます。「やせ型」の人は「更年期障害」が重くなる…という報告されています。