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中医学の理論を支える自然観の一つである「五行学説」。世界を構成している森羅万象は全て「木・火・土・金・水」の5つの特性を持ち、それぞれが調和することでバランスが保たれている…という考え方です。

この「自然界の法則」は、季節やボクたちの体にも当てはまります。季節の変わり目になると体調を崩す人が多いように、季節ごとに変わる自然環境の特徴によって、生じやすい病気や体調不良があります。

「五行学説」によると、春は「肝」の季節に当たりますが、この「肝」は単に肝臓という臓器を指すだけでなく、血液の調節や新陳代謝、精神や感情の機能調節の働きも司っています。つまり、春は精神と深い関わりのある「肝」が影響を受けやすく、「五月病」という言葉があるように、ストレスが溜まってイライラしたり、自律神経のバランスが崩れて、情緒不安定になりやすい季節と言えます。

「病は気から…」と言われるように、気持ちが不安定になったり、精神的なストレスが続くと、免疫力や抵抗力も低下して、肉体的にも様々な影響が出てきます。

精神状態が安定していることは、健康にとって大切なこと。

「たかがストレス…」とあなどらずに、イライラや気持ちの高ぶりを鎮めて、ゆったりとした気持ちで過ごすための「肝」を養う食べ物を取り入れてみましょう。

セロリ、ホウレン草、ニラなどの少し苦みのある緑の野菜は、イライラや興奮状態などの精神を安定させる働きを持っています。自然の営みはよくできていて、その季節に起こりやすい病気や体調不良は、その季節の「旬の食べ物」が癒してくれる…というわけです。

中医学の基本となる「医食同源」が、自然の恵みとの調和であることがよく分かります…。

食事以外にも、ウォーキングなどの適度な運動や、ゆったりと湯船につかって新陳代謝を高め、血行をよくするのもストレス解消法の1つです。