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春に影響を受けやすい「肝」の働き…。

中医学では「肝は血を蔵す」と言われる血液の貯蔵庫…。さらにその血液を通じて体に必要な栄養素を送り、老廃物を除去して新陳代謝をコントロールする司令塔のような役割をしています。

本来、ボクたちには外界から受ける様々なストレスを解消する働きが備わっていますが、血液や新陳代謝を調節する「肝」の機能が低下すると、首や肩のこりなどの「血行障害」、充血やめまいなどの「目の症状」、不眠や情緒不安定などの「精神神経症状」があらわれます。

また、女性の場合は、月経不順や月経過多、生理痛などの生理機能障害などが起きやすくなります。特に子どもを産む機能をもつ女性は、初潮から閉経まで一生を通じて血液の貯蔵庫である「肝」と関わりが深く、血液の量や質が低下しやすいので、注意が必要です。

ストレスが溜まりやすい人は、「肝」を機能させる栄養分が足りなくなり、その結果、血が不足したり、流れが滞っている「肝血虚(かんけっきょ)」タイプの人に多く見られます。目の痛みやめまい、立ちくらみ、冷え、肌荒れ、イライラや不眠…などの症状があらわれることが特徴です。

精神状態が安定していることは、健康にとって大切なこと。

「たかがストレス…」とあなどらずに、イライラや気持ちの高ぶりを鎮めて、ゆったりとした気持ちで過ごすための「肝」を養う食べ物を取り入れてみましょう。

クコの実、ニンジン、ホウレン草、レバーなどは「肝」を養う食べ物です。そしてセロリ、ニラなどの少し苦みのある緑の野菜は、イライラや興奮状態などの精神を安定させる働きを持っています。

自然の営みはよくできていて、その季節に起こりやすい病気や体調不良は、その季節の「旬の食べ物」が癒してくれる…というわけです。中医学の基本となる「医食同源」が、自然の恵みとの調和であることがよく分かります。

食事以外にも、ウォーキングなどの適度な運動や、ゆったりと湯船につかって新陳代謝を高め、血行をよくするのもストレス解消法の1つです。

規則正しい生活を送ることが基本ですが、それでも難しい場合、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。