こんにちは。

先日、博多で日免研 九州・沖縄部会主催の「学術大会」があり、参加して来ました。

福岡大学薬学部 微生物薬品化学教授の鹿志毛先生による「腸管免疫と全身免疫システム」と題した招待講演と、津山漢方堂薬局の津山先生による「甲状腺について」と題した特別講演でした。

順番として、津山先生の「甲状腺について」の特別講演からでした。先生の甲状腺のお話は、分かりやすいといつも好評です…。

甲状腺は絶えず体全体を見ながら、フィードバックによって量を調整しています。そのため、甲状腺のホルモンであるT3、FT3、T4、FT4、TSHも、絶えず変化をしているんだそうです。

甲状腺の異常は、甲状腺機能検査により分かりますが、甲状腺の病気は「自己免疫(抗体)」が関係する病気であって、「バセドウ病」も「橋本病」も間違ってつくられた抗体が攻撃を仕掛けたことで起こる病気である…ということのようです。

津山先生は、甲状腺をダムに例えてお話されます。

ダムの中には「ペルオキシダーゼ🐟」と「サイログロブリン🐠」という魚がいて、ヨードが入ってくると魚たちは甲状腺ホルモンを作り出します。ダムの水門には「TSH🐕」という番犬がいて、水の量を調整しているわけです。

そして、悪さをするのが「抗ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)🐦」と「抗サイログロブリン(TgAb)🐤」という鳥と、「TSHレセプター抗体(TRAb)🐅」という獣。

甲状腺機能亢進症の代表的な病気である「バセドウ病」は、水門に「TRAb🐅」がやって来て、「TSH🐕」が追い出されることにより水門が開けられてしまう…。それにより、ダムの水が大量に出て行く病気だというもの。この場合、「ペルオキシダーゼ🐟」や「サイログロブリン🐠」には影響はないので、ヨード制限はしないようです。

一方、甲状腺機能低下症の代表的な病気である「橋本病」は、ダムの中の「ペルオキシダーゼ🐟」や「サイログロブリン🐠」が「TPOAb🐦」や「TgAb🐤」に食べられてしまう病気で、ホルモンをつくり出す魚が減ってしまった状態。

悪さをするものは違うけど、どちらも自己抗体による病気…と言えるわけです。そのため、病気を特定するには、甲状腺ホルモンの値だけではなく、「TPOAb🐦」「TgAb🐤」「TRAb🐅」の3項目の検査が必要なんだそうです。

一般的には「バセドウ病」に使用されるメルカゾール(チアマゾール)は「ペルオキシダーゼ🐟」を阻害する薬。「橋本病」に使用されるチラーヂンはT4製剤。

一般的にはそうですが、先生は間違ってつくられた「自己抗体」をまず何とかするべきであり、ダムの中をいじり過ぎない方が改善しやすい…とおっしゃいます。

もちろん、何とかする方法としては、LEM、漢方薬、自然薬などでの対応だそうですが、症状が改善され、良くなられているそうです。

津山先生、ありがとうございまし