こんにちは。

中医学では、血の中に熱がこもっている状態を「血熱」と言い、皮膚の紅斑、発赤、発疹、出血、発熱、便秘などは「血熱」によるものが多い…と考えられます。

そして「血熱」は、ニキビ、肌荒れ、吹き出物、皮膚の炎症を引き起こす原因となる…と考えています。

「アレルギー性疾患」「自律神経の失調及びホルモンのアンバランス」「感染症、特に伝染性感染症」のような疾患と病理変化は「血熱証」との深い関連が考えられています。

アレルギーを引き起こす原因として、

・乾燥肌によりバリア機能の低下
・紫外線刺激
・ストレス
・細菌などのスーパー抗原
・環境抗原(ダニ、ハウスダストなど)
・食物抗原
・発汗
・乱れた生活リズム
・疲労
・内臓機能の低下・乱れ

などがありますが、これらによって「過剰な免疫反応」が起こることで、「アレルギー反応・炎症反応」が起こるわけです。

アレルギー反応の起こり方は複雑で、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅳ型の4つに分けられ、即時型の反応と遅延型の反応があります。

そのうち、皮膚アレルギーに関係しているのがⅠ型とⅣ型になりますが、アトピー性皮膚炎はⅠ型とⅣ型の混合のため、アトピー(特異)アレルギーと呼ばれます。

Ⅰ型アレルギーは原因である抗体が侵入してからアレルギー症状が現れるまでの時間が非常に短く、Ⅳ型アレルギーは症状が現れるまで24~48時間を要します。

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Ⅰ型アレルギー(即時型)はIgE抗体が関与し、マスト細胞からヒスタミン等の化学伝達物質が放出し、赤み、腫れ、滲出などの炎症を起こします。

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一方Ⅳ型アレルギー(遅延型)はT細胞やマクロファージ等が活性化され、皮膚の炎症が繰り返されることで炎症を起こします。

これら「血熱証」に関連しているものに対しては、「清熱涼血(せいねつりょうけつ)」という方法で対応します。

現代医学に置き換えた場合、「清熱=抗炎症作用」「涼血=血液免疫反応抑制(CRP高い)」と理解すると分かりやすい…と中医師から聞いたことがありますが、「清熱涼血」はまさに、「アレルギー反応・炎症反応」を改善させる方法であると思います。

ただ、「清熱涼血」だけでいいというわけでなく、状況に合わせた対応と、アレルギーを引き起こす原因に対する対応も大切だと考えます。