こんにちは。

中国の湖北省・武漢(ぶかん)での研修旅行の目的の1つ…「国家級京山盛昌烏亀原種場」という亀🐢の養殖場に行って来ました。「国家級」というのは国が認めた…という意味です。

武漢からバスで約3時間…荊門市の京山という、のどかな場所にこの養殖場はあります。ちなみに、ここ京山と大分市とは「姉妹都市」なのだそうです。

この養殖場では、毎年800万匹の亀🐢が誕生しているのだそうです。

「年間800万匹…」と聞いて、狭いところに押し込められているのではないか…と思われるかもしれませんが、敷地面積が東京ドーム約300個分と広大で、遥か彼方に見える山までが敷地…という説明を受けました。つまり、広いところで大切に大切に育てられているわけです。

ただ、800万匹の亀のうち、子亀の段階で中国各地の養殖場に出荷するそうで、まるまる…というわけでもないようです。

この敷地の中に、84個の繁殖場、6個の孵化室、沢山の養殖池があります。

また敷地内には「院士専家研究基地」があります。実はココは最高峰の研究機関です。中国人の偉い科学者の中には「院士」というタイトルを持つ方がいて、非常に光栄なことのようです。

つまり、ココはアカデミックな場所でもあるわけです。

ここが繁殖場。

オス♂:メス♀=1:3、合わせて1万匹の亀がこの中にいるのだそうです。ですが、小雨☔️が降って寒く、気温が15℃🌡くらい。カメ🐢が姿を現さず、数匹顔を出す程度でした。これがもっと暖かければ、筏の上で甲羅干しをしている姿が見れたかもしれません…。

次に案内していただいたのが孵化室。ここで卵が孵ります…。

孵化室に入ってすぐ…生まれたばかりの子亀を選別されていました。

さらに奥へ進むと、白いケース沢山積みあがっていました。1つのケースに600個、卵がギッシリと入っています。卵から100日で孵化するのだそうです。

その中を覗くと、続々と新しい命が誕生していました。これから6ヶ月、あかちゃん室で育てられるそうです。

毎年800万匹誕生する子亀たち…ごく稀に珍しい亀が。頭が白い亀が「黄縁亀」、そして全身白い亀が「化石亀」。観賞用に育てられるのだそうですが、貴重な「化石亀」はなんと1匹数百万円するのだとか…。👀

こちらは養殖池。6ヶ月以降の100~150gになると放たれるそうです。ここでは亀たちのために稲も育てていて、亀のフンも肥料となって、お互いの環境に良いそうです。ただ、このお米は特殊なお米…「金山米」という品種で王様に献上していた米、通常のお米の10倍の値段がするそうです…。

そんな養殖池の中で雑草や小魚を食べて育っていくのですが、毎年冬になると冬眠してしまうため、中々大きくなりません。冬眠の間は飲まず食わずであるため、前よりも小さくなってしまうからです。ここで5年…ようやく1kgまで生長した亀を収穫するんだとか。

温室で育てた方が効率がいい…と思いがちですが、そのような亀には薬用価値がないそうです。亀は大きさだけではないようです。

そんな亀で漢方薬になるのが甲羅の部分。「亀の甲羅」を3日間煮詰めた膠が薬となります。

これが子宝の分野では「卵の質を良くする」ということで注目されています。アンチエイジング効果の高い漢方薬…として期待されているわけです。

会食の席で、韋(イ)社長が亀についてお話されました。

ここで育てられている亀は「中華クサガメ」という種類。それまでは「どの亀が一番効果があるのか…」基準のようなものがなかったんですが、研究により「中華クサガメ」が最も薬効が高い…ということが分かったんだそうです。この養殖場は「中華クサガメ」の原種を守る…繁殖基地という役目も果たしているのだとか。

交雑が進んでいて野生では、明らかに薬効が劣る…つまり一口に「亀」と言っても、亀の種類で品質に大きな差が出るのだそうです。

そんな、遺伝子的に薬効の高い「中華クサガメ」の甲羅を原料にしているものは、日本においてイスクラ産業の製品にしかない…ということも分かりました。

亀の甲羅は「亀板」と呼ばれていて、背中とお腹と2つあります。陰陽で考えると「お腹が陰」で「背中が陽」。つまり、成分に差があるのかと思いきや、研究からそう差がないことが分かったそうです。

レストランの玄関に20歳の亀がディスプレイされていました。ボクの両手くらいの大きさです。

この養殖場にはその上をいく170歳の亀がいて、現役で卵を産む…というから驚きです。170歳の長寿亀はさすがに見ることはできませんでしたが、生長するスピードが遅いので、意外と大きくはないとのこと。

その話を聴いて、亀は正直スゴイと思いました。