こんにちは。

皮膚は表皮、真皮、皮下組織に分かれています。一番外側の層を「角質層」と言い、レンガの壁のように角質が積み重なり、その隙間を角質細胞間脂質が埋め、外部の刺激から体を守っています。

また天然保湿因子が水分を保持することで、なめらかで潤いのある健全な皮膚を維持しています。

乾燥肌(ドライスキン)は、「角質層」に亀裂が生じバリア機能が低下してる状態であり、アレルギー反応や感染症を起こしやすくなっているため、アレルゲンや微生物の侵入により、痒みを伴ってしまいます。

つまり、潤いがないお肌は、刺激を受けやすく、熱を生みやすく、痒みも出やすい…。

これは、切ったばかりの生木にはそう簡単に火🔥がつけることができませんが、枯れ木には簡単に火🔥をつけることができるのに似ています。

特に今からは大気の乾燥により、健康な人でも皮膚から奪われる水分量が増える季節。加えて、気温が低く新陳代謝も低下するため、皮脂の分泌量も減少します。

そのため、皮膚の保湿機能が低下し、乾皮症・皮脂欠乏性湿疹、アトピー性皮膚炎の悪化、ひび割れ、しもやけ・あかぎれ、フケの増加などが起きやすくなります。

中医学における皮膚病対策の3本柱は内服、外用、養生…。

皮膚は「見られる」「触れる」「直接薬を塗れる」人体における一番外側の器官であり、内的なケアに加え、外的なケアが重要になってきます。

2014年、乳児のアトピー性皮膚炎に保湿剤を毎日、約8ヶ月間塗ることで、アトピー性皮膚炎の発症率を3割減らせた…という、国立成育医療センターのチームが発表し、保湿のスキンケアに予防効果がある…と世界で初めて示しました。

乳児の皮膚は成長過程にあるため、角質の細胞は小さく未発達で、皮膚自体も薄め…。角質細胞間脂質や天然保湿因子も少なく、乾燥しやすい状態です。

また「角質層」の外側に「皮脂膜」という皮脂と汗が混じり合った天然のクリームが覆い、皮膚から水分の蒸散を防ぎ、皮膚を乾燥や刺激から守っているのですが、乳児は皮脂分泌が少なく皮脂膜が不十分なのです。

このことからみても保湿のスキンケアは重要ですし、アトピー性ドライスキンの場合、皮膚のバリア機能が低下したために敏感肌になり、些細な刺激でも皮膚に炎症を引き起こすため、状況に合わせたスキンケアが重要となっていくわけです。