こんにちは。

先日参加できなかった、中医皮膚病IP講座の「山茶花」グループミーティング…。そこで、「劉復興先生」の考え方、症例などが書かれている本から、皮膚病の中でも特にポイントとなる「湿熱病」を紹介されていました。

体内に溜まった病的な水分である「湿」に「熱」が加わった「湿熱」。繰り返しの発熱、胸苦しい、体が重い、倦怠感、尿量が少なく色が黄色、口渇があるが水分を飲みたがらない…などの症状に加え、舌の苔が黄色くベットリしています。また、発病が遅く、病程が長く、しつこくて治りにくい…という特徴があります。

「湿熱」は何も皮膚病に限らず、現代の臨床ではたくさんの病種に及びます。皮膚病では湿疹や帯状疱疹などであり、チフスやパラチフス、肝炎、腎炎、婦人科疾患などにも及ぶとのこと…。

「湿熱」は外因によるものと内因によるものがありますが、強調されているのが「脾胃(消化器)機能の失調」…。運化機能が低下すると、体にヘドロのような「湿」が溜まってしまい「湿熱病」を患いやすくなるわけです。

ボクたちは食べたり飲んだりしたものを便や尿として排出しています。運化機能が低下し、体の中に「湿熱」が溜まって正規のルート(便や尿)から排出されない場合、緊急排出路として皮膚から排出される…と説明される先生もおっしゃいます。分かりやすい表現だと思います。

これを改善するためには、「湿熱」を取り除く中成薬(中国漢方)が必要になります。それに加え「湿熱」を溜めないため、脾胃(消化器系)を整えることも大事です。

有名な言葉に「服薬しても飲食禁忌をしなければ、足が擦り切れるまで病院に通っても、皮膚病は治らない。病は口から入るので、皮膚病を治癒したかったら、今すぐ飲食禁忌を守らなければならない。」というものがあります。

実際に皮膚病が悪化する原因に食事の影響は大きいです。ついつい食べ過ぎてしまうこと、体の中に「湿」や「熱」を溜めてしまう食べ物が原因であることが殆どです。

実際、劉復興先生の本に書かれている三忌は「生臭い物(魚介類など)」「辛い物」「発散する物」と紹介されていますが、ボクたちはもう少し広く考えています。

1.甘いもの:チョコレートやケーキなど(ビタミンを消耗する、免疫力を低下させる、悪玉菌を増やす、アレルギー体質になる、皮膚粘膜を弱くする)

2.油ものや肉類:揚げ物、ポテトチップスなど(消化しにくいので、胃腸粘膜を壊して消化不良を起こし、腸内細菌のバランスや腸管免疫を悪くさせる)

3.香辛料の多いもの:キムチ、カレーライスなど(熱性で辛いので、内熱を生じて湿疹、痒み、赤みを悪化させる)

4.洋食品、加工食品:ケーキ、ファーストフードなど(消化しにくいから、脾胃の機能を低下させ、湿熱を生じて皮膚病を悪化させる)

5.高タンパクのもの:牛乳、卵、大豆、魚介類など(「発物」に属し、胃腸の負担を重くさせ、湿熱を生じ、皮膚病を悪くさせる)

6.生ものや冷たい物:アイスクリームや冷たい飲み物など(胃腸を冷やして消化吸収障害を起こして湿を生じ、脾胃の機能を弱め、皮膚の修復力が弱くなる)

7.コーヒー、アルコール、タバコなど(コーヒーは興奮性が高く冷えのぼせに、アルコールは湿熱を、タバコは熱毒を生じて赤みと痒みを悪化させる)

「湿熱」という概念を知り、「湿熱」を溜めない、脾胃(消化器系)を守ることは、皮膚病だけでなく、たくさんの病種の改善につながる…ということです。