こんにちは。

皮膚の急性段階は、炎症が目立ち、赤く熱をもつ、場合によってはジュクジュクした症状になります。それは、慢性状態から急に悪化する場合もあります。

急性段階は「皮膚の症状」を見て、慢性段階では「皮膚の症状」を見ながら「全身の症状」も診る。ただし、急性段階でも全身の症状にも気を付けなくてはいけない場合もあります。

「急性炎症段階」では、清熱解毒・利湿解毒などで赤み・ジュクジュクをとっていきます。

そこから、赤み・ジュクジュクがとれてきてくる「慢性炎症段階」になると、「気・血・津液(水)」を補うように「一増一減」で、処方を少しずつ変えていく必要があります。

「急則治標、緩則治本」…つまり「急性症状があるときは、まず急性症状を収束させることに専念し、亜急性期に入ってから徐々に本治(補剤)を加えていくべき」という原則があります。そのため、最初から最後まで一貫して同じ処方というわけではありません。

「急性炎症段階」➡「慢性炎症段階」➡「肌の養生・生肌」へと変えていきながら、美肌作りにつなげていき、再発しにくい肌作りが目標です。

先日の中医皮膚病IP講座の「山茶花」グループミーティングの「炎症性皮膚のバリア再建について」というお話の中で、「皮膚のバリア機能の重要性」について言われていたように、皮膚病再発防止のカギは「皮膚バリアの再建」であり、この皮膚バリアは「保湿力と抵抗力」ということです。

炎症性皮膚の本質は「バリア機能の低下」「保水力の低下」「皮膚免疫の異常」であり、症状としては乾燥、色素沈着、苔癬化、痒い、軽微の紅斑(赤み)、敏感肌、易再発…という皮膚の状態がそうだと思います。

「急性炎症段階」「慢性炎症段階」「肌の養生・生肌」とありますが、「急性炎症段階」で使用する清熱解毒のようなものだけでは、肌の状態が安定しないのを実際感じています。皮膚の内側から皮膚のバリアを作ることが大切になってきます。

中医学では「外治亦有法(がいちまたゆうほう)」という言葉があるように、スキンケアも有効な手段です。スキンケアは「仮の柱」にはなりますが、直接皮膚を守ることから、効果を早く感じることができるからです。