こんにちは。

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総合的に「血管力」をつけるため、期待されている生薬が「丹参(たんじん)」。

中国産のサルビアの根および根茎です。この人は、長年の経験と豊富な知識から「丹参老人」と呼ばれる鐘慶剛さん…。

その薬理作用に血液量を増加し、血液の粘度を下げ、脳動脈や冠状動脈を拡張させる働きが期待できることから、特に脳血管障害や心臓病、高血圧症の治療に用いられることが多いようです。

先日の山口中医薬研究会で、ウチの母がこれまでやってきた子宝相談について、会員の先生方にお話ししました。

その中で、ウイメンズクリニック南青山院長の小杉先生が「卵子はよみがえる」という講演で「丹参」の話が上がり、その内容に感銘を受けたことを明かしていました。

卵の老化は、自然現象として、打つ手がないとされてきましたが、ES細胞やiPS細胞からでも卵子細胞が作られる時代ですから、閉鎖間近の女性の卵巣に残っている卵子でも元気なものに蘇ることも不可能ではないとのことを力説されていたそうです。

いくつかのポイントを上げられたそうですが、その中に「丹参」が卵子の老化防止と卵胞の発育に作用するということを示唆されたそうです。

そのメカニズムとして2つ、

①原始卵胞の発育を活性化させるP13K_Aktシグナル伝達細胞に「丹参」が作用し、本来閉鎖してしまいそうな原始卵胞が目覚めて発育していくということ。

②卵子の老化に終末糖化産物(AGEs)が大きく関わっているということから、「丹参」のAGEs抑制作用が卵子の育つ環境を良くし、質の良い卵子作りに寄与できると考えられるから。

「丹参」が循環器系の分野以外でも広く利用されているわけです。

その他の研究でも、「丹参」には毛細血管の障害とかかわる慢性腎不全の改善、血圧を下げたりする効果が期待できることが分かってきています。

薬理研究をされている生薬の中でダントツ一番なんだそうですが、「丹参」の入っている漢方薬はそう多くはありません。