こんにちは。

朝晩がグッと冷えてきましたね。秋になり、風が冷たくなると、冷えを感じる人が増えてきます。冷えは「未病」の1つです。

冷え性は、日本人独特の病気で、他の国ではほとんど問題にされていないようです。

日本の女性の50%は冷え性の持ち主

冷えは女性に多く、ある医学統計によると、日本人は女性の50%は冷え性の持ち主と報告されています。ある中医師は、女性のあらゆる疾患(婦人科疾患)は、冷え性が原因である…と言っても過言でないと言っています。「冷え性は女性の大敵」であると言うことです。

冷え性は、服装とも関係があります。ミニスカートなど、真夏ならあまり問題はなくても、風が冷たく感じる秋になってくると、外気にさらされた足をめぐる血液が冷えて、その冷えた血液が腹部に還流するため、腹部の大切な臓器が冷やされ、月経が変調する原因になることが考えられます。

外気が冷えてくる季節には、足を冷やさないような服装を心がけてください。

冷やす、温めるの食材の分類「四気」

よく「バランスのとれた食事を」と言われます。西洋医学的(栄養学的)には、糖質、タンパク質、脂質…などの各栄養素に注目します。しかし、中医学的には栄養学的なことだけではなく、「四気(しき)」「五味(ごみ)」にも注目します。

「四気」は冷やすか、温めるか…。寒性、涼性、平性、温性、熱性に分類。「五味」は酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(塩辛い)という味の分類と、その効能も指します。

この場合は、体を温める食材、体を冷やす食材に注目します。基本的には夏に採れる食材は体を冷やし、冬に採れる食材は体を温めるものが多いです。

ただし、体を冷やす食材でも、「日に干す」「塩を加える」「油と熱で料理する」「長時間加熱する」ということで、その性質を緩和させることができます。

冷え性の原因「血虚」とは

冷えを感じていてはいるものの、特に薬を飲む程ではないと考えている人も多いようです。ただし、冷えを放っておくと生理不順や不妊症、更年期障害または肥満などの原因になることもあります。

冷えの原因はいくつかありますが、中医学で最も重視しているのは「血」の不足(血虚)です。ただし、その人たちが必ずしも「貧血」(赤血球などの数が少ない)というわけではなく、おもに血液の質、栄養状態が良くないことをさします。

血虚の症状としては「めまい、立ちくらみ、目の疲れや乾燥、顔色が悪い、舌や唇の色が薄い、肌の乾燥、髪や爪がもろい、月経量が少ない、生理不順、眠りが浅い、夢が多い」などがあります。

血にはいろいろな臓器や器官に栄養を与えること以外に、身体を温める働きがあり、血が不足すると冷えやすくなると考えています。また、身体が冷えると血行や水分代謝が悪くなるためにむくみやすくなります。さらに新陳代謝が低下して脂肪を燃やす事ができないと痩せにくい体質となります。

「血虚」を改善するため

貧血にはよく鉄剤が使われますが、一時的に赤血球を増やすのではなく、体を中から温め、血を補うためには「当帰」という生薬が有効です。

日本には「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」という中成薬があります。最近では、モデルさんたちに口コミで広まり、雑誌などで取り上げられているので、特に若い女性からの問い合わせが増えています。甘くて飲みやすく続けやすいく、うちのお店でも婦人科の治療に対し中心的な薬です。冷えとむくみ解消に女性だけでなく男性にも、もちろん役に立つと思います。

日頃のちょっとした工夫も

冬場の冷え性で悩まれる方は、秋からの生活の中にちょっとした工夫を。

  • 歩くことを心掛ける。足の裏には全身のツボがあるので、歩くことにより、このツボを刺激し、血行が良くなる。
  • 靴下は絹でできた五本指の靴下を一番下に履き、その上に絹の靴下を重ねて履くと足の冷えは良くなるそう。
  • 足湯、下半身浴を。シャワーのみやカラスの行水では体の芯まで温まることができない。ヘソから下を湯船につけると30分くらいつかると、体の芯まで温まるのを感じる。
  • 体の3つの首(首、手首、足首)を冷やさない。3つの首から冷えは入ってくるので、しっかりガードすることが大切。