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本治のタイミング

こんにちは。

先日参加した「中医皮膚病IP講座のグループミーティング」。

その中の中医学講師の韓先生の「皮膚疾患における中成薬の応用」では、先生の症例をから、「補剤」の使用にいついて考えさせられました。

90歳の女性で、2ヶ月前に皮膚の痒みとブツブツが出始め、掻き毟(むし)ることで全身に広がった…という症例です。痒みが強いようで、全身に掻き傷が広がっています。足には紫斑、静脈瘤、頭皮にフケがあります。睡眠の質が悪く、イライラしやすい。食欲がなく、便秘…というのが現在の症状だそうです。

もともと「老人性皮膚掻痒症」と「うっ血性皮膚炎」があり、掻き毟ることで悪化し、酷くなり全身に拡がり「自家感作性皮膚炎」になられたようです。

先生の挙げられたポイントは、「肺主皮毛」の原則と「肺と大腸との表裏関係」、乾燥・冷えによる「季節との関連性」、老化に伴う「皮膚の萎縮」。

西洋医学ではあまり問題にしないかもしれませんが、中医学では「便が通じるかどうか…」は皮膚病にとって大事なポイントです。これは皮膚は「肺経」に属し、「肺と大腸は表裏関係にある」という考えによるものです。

また、冷えて乾燥すると、体温を逃がさないため血管を奥に引き込むため、皮膚の表面に栄養・潤いが足りなくなってしまいます。

この方の場合、体の機能が落ちて環境適応力が低下した「虚証」がベースにあり、「環境」の刺激を受けたことで誘発された皮膚トラブルだ…ということです。さらには、気虚からくる瘀血による「微小循環の血流障害」、自律神経の乱れも見られます。

局所から全身に症状が拡がったのは、皮膚の免疫破綻からバリア破壊され、守り切れなくなって刺激が続くことで血液の免疫反応が過敏で亢進気味になったから…。

中医学で考えると、皮膚・粘膜のバリアの「衛気(えき)」不足し、血液の中の「営気(えいき)」が熱くなる…。この「営気」の熱は「血熱」であり、拡大した炎症を抑えるには「血熱」を冷ます方法が最も有効であり、血液の中の免疫反応を落ち着かせることで拡大を防ぎ、痒みを抑えることになるわけです。

ボクたちが提案する方法というのは、治す…というのではなく、「体の自然治癒力を助ける」「治しやすい環境を整えてあげる」ことを目的としています。

通常であれば、「急則治標、緩則治本」の治療方針に則り、急性症状があるときは、まず急性症状を収束させること(標治)に専念し、亜急性期に入ってから徐々に補剤(本治)を加えていく…という対応になります。

しかし今回合、韓先生は90歳という年齢を考慮し、標治と本治を同時に行われたのですが、その方の症状の改善があまりにも早かったのに驚かされました。本治をどのタイミングで行うべきか…韓先生の症例から色々考えさせられました。

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