こんにちは。

春の嵐が吹き荒れて、スギ花粉が大量にまき散らされ、花粉症患者にとっては、いやな季節がやってきました。

今年は例年の1.5倍のスギ花粉の飛散が予想されていていますが、今年は流行が収まらないB型インフルエンザに同時に罹る「インフル花粉症」が心配されています。

インフルエンザと花粉症のダブルパンチ…花粉症の人がインフルエンザに罹れば、鼻づまり、鼻水、頭痛などの症状は、よりひどくなることは想像に難くありません。それに咳やくしゃみでインフルエンザウイルスをまき散らす恐れもあります。

テレビ番組の中で、対策としてコットンやガーゼを鼻と口に当ててマスクをすることを推奨し、花粉症の予防をするよう注意を呼びかけられていました。

しっかりした予防が大事ですが、やはり「外敵から体を守る免疫力」も大事です。

中医学では、花粉やハウスダスト、細菌やウイルス、有害な化学物質、高低温や湿度、乾燥などの病気を引き起こす「外敵」から体を守るバリアの役目を果たすのが「衛気(えき)」と呼ばれる「気(エネルギー)」の働きと考えています。「衛気」はボクたちの体を病気から守ってくれる「第一次防衛ライン」とも言える大切なものです。

不規則な生活や食生活の乱れ、運動不足、生活環境により、皮膚や粘膜の免疫力である「衛気」は低下します。「衛気」の不足した状態を「衛気虚」と言いますが、現代人に多いとされています。具体的には、カゼを引きやすい、疲れやすい、呼吸器系の異常、多汗、季節の変わり目や気温変化に体調を崩しやすい…という症状があらわれます。

「衛気」を低下させないためには、バランスの摂れた食事、十分な睡眠も大切なのは言うまでもありませんが、「衛気」の不足が甚だしい場合は、中成薬(中国漢方)や自然薬の出番です。

「黄耆(おうぎ)」は「衛気」のチカラを強めるので、外的刺激に弱い肌や粘膜を健康に保ちたいときに適しています。しかも、ただ免疫力を高めるのではなく、体の状態に応じて免疫の過剰反応を抑えるバランスを保つ働きも兼ね備えています。

そんな「黄耆」を中心に、消化機能を高める「白朮(びゃくじゅつ)」、カゼの侵入を防ぐ「防風(ぼうふう)」などを組み合わせた代表的な処方が「玉屏風散(ぎょくへいふうさん)」です。体の表面に屏風を立てて、外からの邪気を防ぐ効果があるというのが名前の由来で、日本では「衛益顆粒(えいきかりゅう)」として知られています。

「外敵から体を守る免疫力」をしっかり働かせましょう。