こんにちは。

ストレスが腸内環境を変化させる…先日のセミナーでこんな話がありました。

このことは「ストレスを受ける便秘や下痢になる」など、日常生活で体験されたことがある人もいるかもしれません。

ストレスと腸内環境の変化は、古くから報告されているようです。

例えば、ラット🐀を過密飼育(ストレスを感じる)すると、腸および糞便内💩のブドウ球菌、放線菌といった「悪玉菌」が増加し、「善玉菌」であるビフィズス菌が減少したとのこと。

また、乳児のサル🐒を母子分離すると、3日後から腸内菌の現象が見られ、特に「善玉菌」である乳酸菌の現象が著しかったそうです。

ヒトでは、NASAがスカイラブ計画(有人宇宙飛行計画)を進めるにあたって宇宙飛行士の健康を維持するために行った実験があります。狭い船室に閉じ込められた生活を長時間続けるため、精神的なストレスが相当なものになるからですが、実験では「日和見菌」のバクテロイデスが増加していたとのこと。

ソ連でも同様の実験が行われていて、飛行前から変化が出始め、飛行中はさらに異常が認められたそうですが、「善玉菌」である乳酸菌やビフィズス菌の減少と、「悪玉菌」であるウェルシュ菌の増加が見られたんだそうです。

ボクたちの腸内には100の種類以上、100兆個もの腸内細菌が生息していると言われていて、「善玉菌」「悪玉菌」と、状況次第で善玉にも悪玉にもなりうる「日和見菌」の3つのグループに分類されます。

腸内細菌は叢(くさむら)のように群がっていることから腸内細菌叢、あるいは腸内フローラ…と呼ばれていますが、その割合が「善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1」が最も健康的だと言われています。

ストレスが「悪玉菌」を増加させ、さらには「日和見菌」を悪玉に変えてしまい、その割合を崩してしまうわけです。

中医学では、体の働きを「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五臓を中心として考えます。西洋医学での解剖学上の臓器のみをさすものではなく、「臓器とその働き」を含めた広い意味でとらえますが、そのバランスの中で成り立っています。

この場合は「肝」と「脾」のバランスが崩れ、肝が脾をいじめる「肝脾不調」という状態ですが、中医学では何千年も前から「ストレスと消化器系」の関係が言われていていました。

今回、ストレスが腸内環境に影響を与える…ということですが、実際に「肝脾不調」のエビデンスだと思いました。