こんにちは。

現代人は日常、目に負担をかける生活を送っているため、慢性的な目の疲れを訴える人が増えています。

国民のスマートフォンとタブレット端末の利用率が7割を超え、13歳~59歳までの年齢層のインターネット利用率が9割を超えているのだそうです。

サラリーマンの9割以上が仕事でパソコンを使用、日中はパソコン作業で目を酷使し、その上にテレビ、ゲーム、スマートフォンの使用により目の負担が大きい人がかなり増えていることは言えます。

このような目の酷使は、様々な目の病気の早発・進行を促す誘発要因の1つとなります。

目は耳・鼻・舌・皮膚などとともに「感覚器」と呼ばれる器官の1つであり、人体が外部から入手する情報の約8割が、目👁からの情報であると言われています。

中医学では、内臓と五竅(感覚器官)との関係を重視して、「肝は目に竅を開ける」という言葉があるように、目と肝とのつながりは深い…と考えています。

目と内臓のつながりを「瞳は腎」「黒目は肝」「白目は肺」「目頭と目尻は心」「まぶたは脾」といった、更に詳しく関連付ける考え方もあります。

その中でも「瞳=腎」「黒目=肝」の関係が重要であり、「肝腎かなめ」と言われるように、生命活動の中心に据えられる「肝」と「腎」は、働きを補い合う存在です。

目については、「腎」に蓄えられた「腎精」は、「肝」の「血」と協力し合い目に「精血(栄養分)」を送り、目の代謝を促進しています。

目の使い過ぎは、「精血」を消耗させ、疲れ目、視力の減退…といった目の異常につながります。また、加齢による「肝」「腎」の衰えは、老眼や白内障の引き金にもなります。

「肝」と「腎」を同時に強める中成薬(中国漢方)に「杞菊地黄丸」があります。

「眼科臨床医報」に発表された臨床治療例では、眼精疲労症状に対し、有効率82.2%という報告がありました。

目のトラブルに幅広く応用できる「杞菊地黄丸」は、「飲む目薬」と呼ばれています。目薬…と言うと点眼液を思い浮かべると思いますが、点眼液で症状が改善されない場合、「杞菊地黄丸」が有効であるかもしれません…。