こんにちは。

スパイスの語源、ラテン語で「特別の種類」を意味する「SPECIES」なのだそうですね。

輸送の未発達だった時代のヨーロッパの人にとって、東南アジアなどの熱帯地域を原産とするスパイスは、まさに特別な価値をもつ貴重品だったと言われています。

スパイスは単独で用いるばかりではなく、数種類もしくは数十種類を組み合わせた、混合スパイスとして用いられることも少なくありません。

そうした混合スパイスの代表格となるのが「カレー粉」でしょう。

一般にボクたちが使っている「カレー粉」は、18世紀初頭にイギリスのC&B(クロス&ブラックウェル)社が開発した製品の流れをくむ、ヨーロッパタイプの「カレー粉」だそうです。

これは、インド料理に使われる混合スパイス「がラム・マサラ」をヨーロッパ人の嗜好や料理法に合うようにアレンジしたものだとか…。

その製法は、通常20~30種類のスパイスをブレンドした後、焙煎して、さらに3~6ヶ月の熟成を経て完成。焙煎、熟成を行うことで、スパイスの風味がまとまり、まろやかな味わいになるからだとか…。

ところで、カレーを作るとき、「カレー粉」を油で炒めるのは、スパイスの香味成分や辛み成分のほとんどが油性で、油になじみやすいからだとか…。一度炒めることで、スパイスの成分が油に溶け込み、料理全体へ旨味が行き渡るようになるわけです。

その他、世界の混合スパイスには、

ガラム・マサラ(インド)
カレー粉のルーツというべき、インドの混合スパイス。決まったレシピはなく、地域や家庭、料理人ごとに独自の処方があり、そのバリエーションは無数に。通常、料理の直前に粉砕、混合するため、カレー粉に比べて風味がストレートで力強いのが特徴。

七味唐辛子(日本)
江戸時代に生まれた、日本を代表する混合スパイス。材料の配合は、基本的にすべて同量ですが、関東では濃口醤油のそば汁に合うように、辛味が強め。関西では薄口醤油のうどん汁に合うように、香り重視のブレンドとなっているそうです。

キャトル・エピス(フランス)
フランスの代表的混合スパイスで、その名はレシピの通り「4つのスパイス」という意味。シチューなどの煮込み料理によく使われます。

ピクリングスパイス(イギリス)
イギリスを中心に、よく使われている混合スパイス。その名の通り、ピクルスを作るときに用いるほか、酢に漬け込んでスパイスヴィネガーにしたり、チャツネの風味付けにも。

五香粉(中国)
スターアニス(八角)の香りをベースとする、お馴染みの中華混合スパイス。豚肉の煮込みなど、肉料理の下ごしらえによく用いられます。

基本的に胃腸の調子を整えたり、消化器の働きを活発にする混合スパイスは「漢方薬に通じる」ものがあると感じます。