こんにちは。

ミカンには、皮膚の粘膜を保護してカゼやインフルエンザの原因となるウイルスの侵入を防いだり、免疫力を高めてウイルスを寄せ付けないビタミンCが豊富です。

そしてミカンを食べた後、その皮はゴミ箱へ「ポイッ」とするのが普通ですが、皮には香りの素である「リモネン」「テルピネン」などを主成分とする精油が含まれています。

お風呂に入れると、この精油成分が溶け出し、毛細血管を広げて血行を良くし、冷え症や肩こり、神経痛に効果があります。

皮には鎮静、消炎の働きがありますが、干すことで薬効が一段とアップします。

皮を干した「陳皮(ちんぴ)」は漢方の生薬として有名で、健胃、咳止め、去痰などに使われます。

「陳皮」の作り方はいたって簡単。ノーワックス、またよく洗ったミカンの皮を粗く刻み、ザルに広げて風通しの良いとこ路で1週間~10日乾燥させるだけ…。「陳」という字には、「古い」という意味があり、古いほどいいとされてる「陳皮」は、褐色になるまで寝かせた方が香りも良く、治療効果が優れている…と言われています。

この「陳皮」が入った有名なものに「二陳湯(にちんとう)」という処方があります。主薬である「半夏」と「陳皮」の2薬は「古い方がいい」とされ、「二陳湯」と名付けられました。

「二陳湯」は、脾胃(消化器)機能の失調により運化機能が低下することで、体に溜まったヘドロのような「痰湿」を取り除くもの。「痰湿」による咳および消化器症状に広く用いられます。

また、「半夏」と「陳皮」の組み合わせは色々な処方の中で見られるので、覚えておかれたらいいかもしれません。