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皮膚病診療における金元四大家の影響

こんにちは。

中医師の楊達(ようたつ)先生による「皮膚病診療における金元四大家の影響」。金元の時代は12~14世紀、金元四大家とはこの時代に活躍した、劉完素(りゅうかんそ)、張従正(ちょうじゅせい)、李杲(りこう)、朱震享(しゅしんこう)の4人のこと。

その学術思想と、皮膚病診療における応用についてお話されました。

【寒涼派の第一人者】
劉完素(1120~1200)-金-
(字)守真 (号)河間
中医学の古典「黄帝内経」の研究者でも有名で、「六気は皆火に化す、五志は強すぎると熱病になる」と提唱した先生です。寒涼薬を頻繁に使用されたそうです。

有名な処方「防風通聖散」の生みの親。他にも、「涼膈散」「大金花丸」「倒換散」「双解散」などの処方を残しました。下剤の「大黄」が入っている処方が多いようです。

【デトックス提唱の元祖】
張従正(1156~1228)-金-
(字)子和 (号)戴人
劉完素のお弟子さんで、古人への迷信に反対、鬼神への迷信に反対、運命に委ねることに反対、創新を求める…という「三反一求」という考えの人。汗・吐・下…と祛邪(デトックス)の方法を拡大させ、漢方薬以外にもお灸や針、按摩などを用いた治療も行ったんだとか。

【脾胃論の啓蒙者】
李杲(1180~1251)-元-
(字)明之 (号)東垣
李東垣という名でも有名。易水学派の創設者で「臓腑弁証」を考えた張元素のお弟子さん。脾胃が皮膚病に限らず病気の原点であり、とにかく脾胃(消化器系)が中心という考えから「補土派」と呼ばれ、胃腸系の処方が多く、有名な「補中益気湯」の生みの親。

【滋陰降火の第一人者】
朱震享(1281~1358)-元-
(字)産修 (号)丹渓
朱丹渓とい名で有名で、羅知悌(劉完素学問の弟子)の弟子で、弟子入りしたのが44歳だそうです。「気常有余、血常不足、陽常有余、陰常不足」という考えで、「湿熱相火」「気血痰欝」は朱丹渓の皮膚病治療のキーワードなのだとか。

朱丹渓の住む南方は「多湿、多熱」で、病気の多くは「湿熱」から。欝から熱に化け「憂鬱があれば、万病を生じ、陰熱となる」と言っています。

劉完素、張従正、朱丹渓は「河間学派(邪毒)」の人で、火熱論、攻邪論、滋陰論の三大学説。李東垣は「補土派」の創設者で「易水学派(内傷)」の人。

金元四大家の基本学術思想をまとめると、劉完素、張従正の考えは「急性期」に、朱丹渓の考えは「慢性期」に、李東垣の考えは「回復期」における中医皮膚病の対応に役立つことが分かります。

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