こんにちは。

「立春」が過ぎ、暦の上では「春」。「春」は自然のエネルギーが高まる季節であり、その影響で人間もエネルギッシュになる季節です。

そんな「春」に影響を受けやすい臓器は「肝」。

「肝」はストレスを受け止める臓器。

「肝」の緊張が続くと、寝つきが悪くなったりイライラしたり、女性ではPMS(月経前症候群)など、精神的な不調もみられます。

精神的なストレスは、相克(抑制)関係にある「脾(胃腸)」にも影響を及ぼすことも。その結果、食欲に異常をきたし、下痢や便秘を繰り返すこともあります。

また、「肝」の緊張は、血液の浄化作用にも影響を与えます。その結果、顔色が青くなったり、静脈が浮き上がったり、また筋肉が硬くこわばり、爪が薄くなったり欠けたり…。

「肝」の不調は、必ずしも血液検査の数値が正常値を超えるとは限りませんが、このような状態が現れたら中医学的には「肝」の不調を疑います。

怒りや緊張などを感じたら、深呼吸をしたり、他のことを考えて気を紛らわせるようにして、感情をコントロールするようにしましょう。また、適度な酸味、香りのある食べ物は肝の働きを正常にしてイライラを抑える効果があるのでおススメです。

「肝」が血液をリフレッシュさせるのは「寝ている時間」。遅くとも夜11時前には布団に入り、7~8時間の睡眠をとるように心掛けたいものです。

また、肝臓は、肝臓で浄化・再生した血液によって全身を養い、自らも養っています。肝臓が正常に働けるようにするには、血液を増やすことも大切です。「肝」が弱い人は、ニンジン、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜、レバー、ハマグリやシジミなどの貝類など、造血力の高い食品を積極的に摂るようにしましょう。

おススメの漢方薬

逍遥丸(しょうようがん)
「肝」の働きを助け、胃腸を健全な状態を戻す作用があります。肩こりやイライラする、疲れやすいなどの症状、便秘、冷え症、虚弱体質、月経不順、不眠、神経症などの改善に効果があります。また、女性は更年期に入ると、体の不調に悩まされることが多く(更年期障害)、その改善にも。急にのぼせて汗ばむ人には、この処方に上半身の熱を冷ます生薬を加えた「加味逍遙散」が用いられます。

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杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
「肝」の強化と造血作用があります。視力減退や眼精疲労、耳鳴り、めまいの改善に。白内障や老眼など、加齢による目の障害にも効果があります。「腎」の働きを補う作用もあり、骨や歯、聴力の強化にも期待ができます。