こんにちは。

アトピー性皮膚炎に対してステロイド剤をどう使うべきか…。

ボク自身、「使うべきときには使う」という考えです。

ただし、スキンケアなどの他の外用剤でコントロールができるのであれば、ステロイド剤を使用しない、コントロールできない場合は短期間使用する。すでに使用している場合は、ステロイド剤を徐々に減量し、決して急には中止しない。急に中止すると、リバウンドを起こす恐れがあるからです。

ステロイド剤は対症療法としては極めて有効な薬です。しかし、決して完治させる療法ではないと思います。アトピー性皮膚炎の治療に使用する場合も、皮膚炎を抑え込む「抗炎症作用」は強力ですが、治しているわけではないわけです。

したがって、ステロイド剤を使用するときは、必ず「根本治療」を併用することが大切ですが、この辺りが西洋医学の知識だけではしんどいところかもしれません。

その位置付けは「急場をしのぐ」ものであり、無理に痒いのを我慢したり、あるいは掻きむしって症状を悪化させ、長引かせるのを防ぐためです。

アトピー性皮膚炎の炎症は「火事🔥」と同じ、火事の勢いが強ければ、火を消す力が強くなくては対抗できません。このときにステロイド剤の出番となるわけです。

ただし、塗り方にも注意が必要です。

<症状が軽い時> ⇩

× × × ×

弱いステロイド剤を1~2週間毎日塗るより、ランクを1つ上げ2~3日塗って落ち着いたら後は休む

<症状がひどい時> ⇩

× ×

症状がひどい時、傷やジュクジュクを悪化させない、落ち着いたら<症状が軽い時>へ戻し、 × を増やす

<良くない塗り方> ⇩

× × ×

※ステロイド剤は2日ほど肌に作用するため、1日おきに塗るのは毎日塗っているのと変わりません。ステロイド剤は × の日を多くすればするほど、次に使用した時、効果が高くなるのでやめやすくなります。(連用すると効果が弱まる、効きにくくなる)

病院ではよくステロイド剤と保湿クリームの混合を使用されているケースが多く見受けられます。保湿クリームは「水+油」で吸収しやすく、ステロイド剤を混ぜると、保湿クリームの性質によりステロイド主成分の皮膚への吸収がアップします。薄まっているから安心ではありません。別々にお願いして出してもらうか、ステロイド剤と同じように必要なところにだけ使用してもらう。

正しい方法は、ローションを角質層へ浸透させ、クリームで上からフタをしてバリア。ローションはNMF(天然保湿因子)、セラミド(細胞間脂質)のかわり、クリームは皮脂膜のかわり。ローション→クリームで保湿をした後、必要なところにステロイド剤を使用。

皮膚病治療の三本柱は「内服・外用・養生」。漢方薬と養生を合わせながら、スキンケアを。ステロイド剤を使用されている場合は、漢方薬を併用しながら、徐々にステロイド剤の間隔をあける方法が体への負担が少なく改善できると思います。