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世界中蓮薬学会連合会 アジア太平洋地域中医薬サミット

こんにちは。

先日「世界中蓮薬学会連合会 アジア太平洋地域中医薬サミット」「日本中医薬研究会 第15回全国大会」が「ザ・プリンスパークタワー東京」で開催され参加してきました。

朝9時から開催された学会は、「生殖医学専門委員会」「皮膚科専門委員会」「国際鍼灸大会・日中韓中医鍼灸シンポジウム」と同時に開催されたので、ボクは「皮膚科専門委員会」に参加しました。

会場入口には、今回発表される先生の紹介が。とにかく凄い先生方の発表が9時~12時の間に10本、楽しみではありますが、ついていけるのか心配です。いわゆる世界的な学会が日本で開催され、最新の内容を聴くことができることで何か緊張します。

今回はイヤホンをつかった同時通訳、「日本語対応」「中国語対応」のスクリーンで、少し違う感じです。

左から、楊 達先生、劉 熾京先生、范 瑞強先生、陳 達燦先生、李 斌先生、李 福倫先生、楊 素清先生。

黒竜江中医薬大学附属第一病院・教授、王先生による「祛邪法による蕁麻疹への治療法」。病邪の出口を与える…「病邪が体外に出る通路があるべき」という考え方は、西洋医学と異なる治療の考えであり、中医学の知恵。紹介された祛邪法は汗法(汗から出す)、瀉下法(便から出す)、淡滲利湿法(尿から出す)というものです。ボクたちが実践している方法でもありますが、臨床応用、注意点などを細かく説明いただき、深く理解できました。

広東省中医病院・教授、范 瑞強先生による「女性の痤瘡における中医周期法応用の心得」。痤瘡(ニキビ)は女性に多く、しばしば生理周期と関係があります。范先生は、女性の痤瘡の発生と転機は「肝(自律神経)」「腎(ホルモン、生殖)」と関連があると。月経前に陽が成長し痤瘡が悪化、月経後は熱が経血の排泄(瀉熱)で痤瘡が軽減。月経期と非月経期に分けて考え、治療をされています。月経期は清肝涼血が主、滋補腎陰が補。非月経期は滋補腎陰が主、清肝涼血が補。これを3クール行うとほとんど改善するとのこと。確かにボクも女性の皮膚病の場合、月経を重視しますが、月経期、非月経期で対応を変える方法はとても参考になりました。

日本中医薬研究会の楊 達先生による「日本の漢方薬局における皮膚病中成薬応用の心得」。ボクたちを指導してくださっている楊先生。現在、日本において臨床上で混乱が生じている原因に、漢方専門の大学がない、法律上の漢方医の資格がいない、大学でテキスト的な教科書も存在しない…。それにより、臨床で正しい知識をもっている先生と持っていない先生が存在する。そんな現状で、まず病院を受診し、なかなか改善されない状態で患者さんが薬局に来られるケースが多い…という現状を説明されました。そういったケースの中で一番多い相談がアトピー性皮膚炎、ニキビというアンケート結果を示されました。日本における皮膚病漢方治療の現状、その対応についてのお話をされました。

オーストラリア中医薬針灸学会連合会・教授、劉 熾京先生による「合局鍼法と湿疹の治療」。「合局鍼法」とは、刺針する経穴より組み合わさった五行の属性を利用して治療する方法。針だけで湿疹が改善した症例が紹介されていましたが、「皮膚病に針」という新しい発見がありました。

広東省中医病院・主任医師、李 紅毅先生による「乳幼児アトピー性皮膚炎における小児推拿の応用」。推=押す、拿=つかむ…という意味で、いわゆるマッサージのようなもの。「小児推拿」は歴史が長く、簡単で、治療効果が期待できるそう。手技により清熱、補益、祛風が期待できるというもの。紹介される手技は手への推拿が多かったのですが、手の先は経絡の起点であるので、多いのだと思います。ただし回数が100~300回と多め、でもなかなか薬が飲めない小児に対して、有効ではないかと思います。是非マスターしたいです。

上海中医薬大学附属岳陽病院・主任医師、李 福倫先生による「難治性創傷潰瘍への中医学的アプローチ」。慢性皮膚潰瘍(CSU)は、顕著な治癒傾向なしに4週間以上続く創傷病変または頻繁に再発する創傷。創傷治癒のステージには「炎症期」「増生期」「再構築期」があります。今回、糖尿病性潰瘍に対し漢方薬外用や鍼灸で対応して効果が出ている症例の発表がありました。

黒竜江中医薬大学附属第一病院・教授、楊 素清先生による「至陽穴に円利鍼を埋める療法による帯状疱疹痛みの治療」。帯状疱疹は皮膚科でよくみられ、皮膚の炎症と神経痛が特徴があり、その激しい痛みでQOLが低下します。10%の患者さんに後遺症として神経痛が残り、60歳以上の高齢になると50~75%にもなるのだとか。西洋医学では「水痘帯状疱疹ウイルスによる病気」と考え、中医学では「帯状疱疹の痛みは様々な原因から経絡の詰まり、運行異常であり、経絡不通の痛み」と考えています。「至陽穴」は背中の正中線、第七胸椎棘下の凹む所で、鍼麻酔のツボだそうです。「至陽穴」に円利鍼を埋める療法による帯状疱疹痛みの治療のお話ですが、内服、外用だけでなく、鍼治療も併用すると高い効果が期待できるのだと知りました。

陜西省中医病院・主任医師、閻 小寧先生による「硬皮症による中医学外用治療法」。硬皮症(強皮症)は限局性或いはびまん性線維化或いは硬化し、最後に萎縮するのを特徴とする疾病。皮膚の腫脹、硬化、萎縮及び関節の疼痛、ひどい場合は死亡することがあります。中国では1000人~10000人に1人に発症し、20~50歳が多く、男女比で1:3なのだとか。中医学で考えるキーポイントは「正虚」「寒凝」「血瘀」。今回、囲刺法(刺鍼治療)、艾灸(灸法)、熱敷薬(中薬燻蒸治療)の3種類の治療を紹介していただきました。

雲南省中医病院・教授、黄 虹先生による「帯状疱疹疼痛に対する劉教授の治療経験」。黄先生はボクが雲南中医病院で研修させていただいたときにお世話になった先生でもあります。今回は王先生の師匠である劉教授の、帯状疱疹疼痛の治療経験を紹介されました。弁証は湿、熱、気血、虚、寒、瘀で考える、初期は「湿熱・火毒が気血の凝滞を引き起こし、経絡を阻害」、後期は「正気が虚弱、瘀血に湿邪を挟み、経絡を阻害」という考えのもと治療をする。部位に対する生薬の選択も紹介されました。黄先生は「勉強、臨床、さらに実践、また勉強」という考えを紹介、そうだと思います。皮膚病診察は外科から由来ですが、内科の要素も含まれ、総合的に判断することが大切とも…。改めて考えさせられました。

ギュッと詰まった内容、慣れない同時通訳、半分も理解できていないかもしれませんが、しっかり復習しようと思います。

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