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食物アレルギーと食生活と生活環境

こんにちは。

ボクたちの体には、外界の病原体などから自らを守るための免疫機能が発達しています。ところが、抗生剤の多用やあまりに清潔な環境によって感染刺激に対する機能が必要とされなくなると、逆にアレルギーを引き起こしやすくなります。

つまり、過度に衛生的な環境が、食物アレルギーを引き起こしているというわけです。

それでは、食生活を中心とする環境の変化や現代の抗生剤の多用が、なぜアレルギーの増加になるのか?最近では、腸内細菌との関係が指摘されています。

腸内細菌はボクたちの体に約100兆個も生息していて、腸内細菌叢(腸内フローラ)をつくって消化管の環境をバランスよく保っています。

乳児期の腸内細菌叢は、出生後、急激に変化し、出生数日からビフィズス菌が最も多くなり、幼児期を通じて環境を良い状態に維持しています。

これに対し、乳児期にビフィズス菌が少ないとアレルギーを発症しやすいことが報告されています。また、アトピー性皮膚炎が重症であるほど、このビフィズス菌が少ない傾向に。このようにビフィズス菌が少なくなってしまう原因として、食生活を中心とする環境の変化や現代の抗生剤の多用との関係が疑われています。

食物アレルギーなどのアレルギー疾患は、免疫反応が過剰に働いて発生するもの。ボクたちの体には、異物(非自己)を攻撃してボクたちの体を守る機能があります。体内に(抗原)が侵入すると、血液中の免疫細胞(リンパ球)が刺激を受けてB細胞から抗体が産生。この抗体のお陰で異物が排除され、人体は守られます。最初の異物(抗体)を認識した際に、刺激を受けたB細胞の一部が分裂さして温存され、免疫記憶細胞というものになります。再び同じ異物(抗原)が体内に入ってきた場合には、この免疫記憶細胞が短期間に大量の抗体を産生するようになり(二次免疫反応)、人体が守られます。

免疫反応は、本来ボクたちの体を守る機能を果たしていますが、食物アレルギーは、食物のタンパク質に免疫反応を起こすようになった状態なのです。

免疫反応に関わる抗体(免疫グロブリン、Ig)の一種に免疫グロブリンE(IgE抗体)があります。食物アレルギーは血液中にIgE抗体がつくられることから始まります。IgE抗体は、アレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を背景に、食物タンパク質の一部が体内に入ることより産生されます。IgE抗体をつくりやすい食物タンパク質を「食物アレルゲン」と言います。

食物アレルゲンが体内に取り込まれると、肥満細胞の上でアレルゲンとIgE抗体が結合し、肥満細胞内から化学伝達物質である「ヒスタミン」などを細胞外に放出します。

ヒスタミンは、周囲の血管を刺激して拡張させ、血液の成分を組織に漏れやすくします。その結果、蕁麻疹や目の周囲や口の腫れなど、ボクたちにとって好ましくないアレルギー反応が引き起こされるわけです。

IgE抗体を作りやすい(アレルギーを起こしやすい)体質を「アトピー素因」と言います。アトピー素因をもっている人は,食物アレルギーになりやすい傾向があります。アトピー素因はある程度遺伝する…と言われていますが、両親がアトピー素因をもっていても、必ず子どもが発症するわけではないそうです。ただし、アレルギー疾患の発症は生活環境も関係しています。

食物アレルギーは、血液中にIgE抗体がつくられることから始まります。ボクたちは口から食べ物を取り込み、腸の粘膜を通して栄養として吸収しますが、食べ物がボクたちの体にとって異物でありながら排除されないのは「免疫寛容」というシステムが備わっているからです。食物アレルギーは、腸管のその免疫寛容が機能せず、本来栄養となる食べ物タンパクに対して過剰に反応してしまう疾患…ということになります。

食物が体の中を通過するうち、胃酸や消化酵素の助けを借りて小さく分解されていき、小さくなってはじめて小腸で吸収されますが、ボクたちが食物をアレルゲンとして感じないのは、この分解のお陰。そして、その食物を栄養やエネルギー源として活用することができるのも、分解のお陰。

腸には「栄養の吸収」「フィルター・バリア機能」という大事な役目があるわけですが、そのセキュリティーが甘くなった裂け目から未消化物や毒素が血液中に入り込むことも問題です。「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」と呼ばれていますが、体の中で抗体ができ、自己免疫疾患、アレルギー体質につながる…と言われています。

0歳~3歳の乳幼児に「食物アレルギー」が多いことが知られています。それは、消化能力が未熟なこと、つまり「栄養の吸収」「フィルター・バリア機能」が未熟であるわけです。ただし、乳幼児の食物アレルギーは、成長するに従い、自然に軽くなったり、治ったりしています。

食物アレルギーはボクたちに備わった免疫過剰反応、その増加は「食生活」や「環境変化」が関係していると考えられます。

よく「皮膚病も腸から立て直す」と言われることがありますが、この「栄養の吸収」「フィルター・バリア機能」が整い、「自己」「非自己」の区別ができると、免疫過剰反応が起こりにくくなる…。つまりは消化器系がいかに大事か、口にするものがいかに大事かということです。

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