こんにちは。

色々な病気で使われているステロイド。ステロイドが合成されたキッカケは、戦争なのだそうです。第二次世界大戦のさなか、兵士の戦闘能力を高めるクスリとして開発されたのだとか。今でいうドーピングのようなものかもしれません。

ステロイドは、本来は副腎で生産されるホルモン。体の中で合成されます。

副腎には外側の皮質と、内側の髄質があります。ステロイドは、副腎髄質から作られるため、副腎皮質ホルモンとも呼ばれます。このホルモンは体の恒常性維持に大切で、体がストレスに曝されたときに生産されます。

ステロイドホルモンには、「糖質コルチコイド(グルココルチコイド)」と「鉱質コルチコイド(ミネラルコルチコイド)」と2種類あり、糖質コルチコイドの作用を持ったステロイドホルモンを科学的に合成したものが副腎皮質ステロイド(ステロイド)です。ステロイドは、遺伝子の特定部位と結合して薬の作用を発揮します。

ステロイドの作用は、非常に強い「抗炎症作用」と「免疫抑制作用」。なので、炎症が起こっている病気(炎症性疾患)や、免疫異常が強くみられる病気(自己免疫疾患)など、異なった多くの病気に使われます。

一方で、多くの副作用が起こるのも事実。ステロイドに対する受容体が全ての有核細胞に発現されているため、広く「糖代謝」「脂質代謝」「骨代謝」「電解質代謝」などに作用するからです。そのため、ステロイドは「諸刃の剣」、その薬理作用を熟知しながら使用することが大切です。

先ほども言いましたが、ステロイドは体の中で生産されるホルモン。

中医学ではこの働きを担う臓器を「腎」と考えます。

「腎」をポイントにした考え方と中医学的なアプローチの紹介。

先日参加した「先天の精」勉強会の講師の先生が紹介された症例の中で、ステロイドの使い過ぎ、使わないと命がもたないのでステロイドをずっと飲んでいて、間質性肺炎で相談に来られた人。1日40mgを1年半服用していて、段々と体がおかしくなってきて、止めたいけれど、ドクターに「止めたら死ぬよ」と言われた。当初、ムーンフェイスとクッシング症候群を起こしていたのだとか。その人には「補腎」「補陰」を中心に漢方薬をおススメ、現在プレドニンが10mgに減ってきているそうです。

お医者さんが対症療法的にステロイドを使わないといけない病気は全部ココ。ステロイドが効果を上げる…ということは、全部ココが悪いということです。

ステロイドは「副腎皮質ホルモン」であり、一部「腎精」を利用している。体の中に十分「腎精」があれば、何も外から入れる必要はない。自分で炎症をコントロールできるだけのステロイドが作り出せればいいわけです。それが十分作れない、十分行き渡らない…という状態が炎症を慢性化させている。それには「補腎」「活血」。「腎精」をつくるためには、後天の本である「脾」がしっかりしていないる必要が。

ステロイドは自分で作り出せる。重症な場合においても、中医学的なアプローチは体にやさしく、有効であると思います。